なるほど、福田首相には父親譲りの太い財界とのパイプがあるらしい。
「構造改革」、消費税増税路線とともに、東アジアとの関係回復姿勢が、今回の総裁選で財界の支持を集めた大きな理由になっているのだろう。
自民党への財界資金の受け入れ窓口になっている国民政治協会の機関誌『国政ひろば』十月号が福田康夫首相と財界の関係にこう触れています。
「(人脈を見ると)財界においても、その折衝役といえる党財務委員長を務めたうえ、重工業や銀行など『本流』とのパイプを父親からの遺産として継承しています」
〇…福田氏は一九九八年八月の党人事で財務委員長、翌年には経理局長に就任しています。自民党の懐を預かる両ポストは党役員会メンバーで、九〇年に初当選、わずか当選三回の福田氏の登用は抜てきでした。元大蔵官僚で総理総裁だった父・赳夫氏の財界人脈を継承した福田氏への期待がありました。首相官邸ホームページに掲載される福田首相のプロフィルから、なぜか、この部分の経歴がすっぽり落とされています。
〇…自民党における経理局長とはどんな仕事をするのか。森喜朗元首相が、ごく最近、こんな紹介をしています。「経理局長というと収入役か出納長と思う人がいるかもしれないが、そうではない。自民党の経理局長は大変偉い。経団連会長はじめ日本の財界のみなさんにほとんど毎日会う。経済界はじめ産業界のみなさんと関係をより深めて自民党の(資金面の)屋台骨を支える立場だ」(九月二十六日、東京都内の宮路和明自民党経理局長・衆院議員の資金集めパーティーで)
亡父から受け継いだ人脈に加え、党務を通じて形成した分厚い財界人脈は政治家・福田氏にとって他の自民党政治家の追随を許さない一面といえます。「福田氏を囲む財界人の会」メンバーには御手洗冨士夫、奥田碩、今井敬の現・前・元日本経団連会長、荒木浩東京電力前会長ら財界本流が並んでいます。
〇…福田首相は、財界が待望する「改革と成長」路線の継続(総裁選公約)を確約し、これまた財界が強く求める消費税率引き上げについても、否定していません。麻生太郎前幹事長との自民党総裁選を制した一つの要因に福田氏を支える財界主流のバックアップがあったとされます。
福田康夫首相の所信表明演説からは、安倍晋三前首相が看板として掲げてきた「美しい国づくり」「戦後レジームからの脱却」「主張する外交」などのスローガンが消えました。
「美しい国づくり」の目玉は、「戦後レジームからの脱却」でした。そして、「脱却」すべき最大の標的が憲法でした。
安倍前首相は、この路線を進めるために、国会で改憲手続き法、改悪教育基本法、防衛省法などを次々と強行採決してきました。
しかし、七月の参院選で、安倍路線に国民から「ノー」の審判が下されました。
福田氏は、所信表明演説で、こうした安倍前首相の看板スローガンだけでなく、自民党の党是である憲法改定すら、一言も触れることができませんでした。福田氏の演説を聞いた自民党の国防族議員の一人は、「憲法改正には国会の(議席の)三分の二が必要なんだ。憲法改正なんて、今いえるタイミングじゃないよ」と首を振ります。
もっとも、所信表明では改憲について「野党と話し合う『重要な政策課題』の中に含まれている」(政府関係者)というように、改憲路線は堅持しています。
「美しい国」に代わって登場したのが、「自立と共生」「希望と安心」などというものですが、具体的中身にはほとんど触れませんでした。
なるほど、流石と言うべきか何と言うべきか・・・。 それにしてもトップの顔が代わっただけでなぜ毎回内閣支持率が跳ね上がるのか、理解に苦しみますが。
それはさておき、今日は3年ゼミ生さん
とのご対面の日、今からワクワクしています!
投稿情報: S本 Y郎 | 2007/10/04 10:22
コメントありがとうございます。何かの変化を期待したいということなんでしょうね。支持ではなく期待あるいは願望ということで。
今日は岡山での学生講演ですね。まだまだ超未熟者ですが、もてる力をフルに発揮しているところをみてやってください。
投稿情報: walumono | 2007/10/04 11:25