国連安保理が、紛争時における女性への性暴力を撲滅する努力を、関係各国に求めている。
日本政府が「慰安婦」問題への誠意ある謝罪の意志を明確にし、再発防止につとめていけば、それはこうした世界の流れを促進していく力ともなる。
もっと圧力が必要である。
紛争時の女性への暴力 国連が「重大な懸念」(しんぶん赤旗、10月26日)
【ワシントン=鎌塚由美】国連安保理は二十三日、「女性、平和、安全保障」をテーマに討論を行い、紛争解決・平和構築のプロセスで女性が果たす役割の重要性を改めて確認しました。また戦争・紛争における女性への暴力が依然として存在する問題に「重大な懸念」を表明しました。
討論は、紛争解決や平和構築プロセスにおける女性の役割を初めて盛り込んだ安保理決議一三二五(二〇〇〇年採択)に基づいて行われたもの。同決議は、戦時の女性に対する犯罪の訴追、紛争下での女性と少女の保護強化、国連の平和維持活動ならびに活動現場に派遣する女性の増員、国家、地域、国際レベルの意思決定プロセスに関する女性の参加促進を求めています。
安保理は討論後、議長声明を採択。安保理の意思として「公式な和平プロセスにおいて恒常的に女性の参加が不足」し、女性や少女への保護の必要性が叫ばれているにもかかわらず紛争では依然としてレイプが「広範にわたり、一部では組織的に行われている」ことを確認。決議に基づく、女性や少女の保護を関係各国に改めて求めました。
ジャン―マリ・ゲエノ事務次長(平和維持活動担当)は、決議採択から七年間の活動を振り返り、ハイチやリベリアにおける国連の紛争解決・平和構築活動で、女性の参加に「大きな前進」があったとする一方、コンゴ民主共和国やスーダンのダルフール紛争などでは「レイプが戦争の道具」となったことを報告。性暴力の撲滅には、国連の「政治的指導性が不可欠な道具」となると指摘しました。
決議に基づく行動計画の進ちょく状況を報告にまとめたラシェル・マヤンジャ特別顧問(ジェンダー問題・女性の進出担当)は、性暴力における加害者への刑事免罪や被害者の必要にこたえない対応は「人道的に非難されるべきであり、受け入れられない」と強調しました。「紛争における性暴力、特にレイプは、実態通りに告発されなくてはならない。すなわち個人的な行いや反乱兵士の不品行ではなく、攻撃、拷問、戦争犯罪、虐待である」と報告しました。
討論には国連機関のほか、非政府組織(NGO)の代表を含め約五十カ国が討論に加わり、決議の全面的実施に向け意見交換を行いました。
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