兵庫県の「新行革プラン」についての県下自治体に対するアンケート。
不満は、老人医療と乳幼児医療に対する助成費削減に集中している。
助成は県と市町が分担してきたもので、水準維持のためには、市町の支出を大きくせねばならなくなる。
しかし、実際には、独自努力で水準が維持できると答えた市町は1つもない。
結局は、医療助成が削られていく。
アホな公共事業をやめて、県民生活支援にまわせ。
兵庫県政(井戸知事)がこのままでいいハズがない。
県行革案、住民へしわ寄せ懸念 全市町アンケート<上>(神戸新聞、12月19日)
神戸新聞社が県内全四十一市町を対象に実施した、県の新たな行革プラン案「行財政構造改革推進方策案」に対するアンケートでは、市町財政や住民への“しわ寄せ”を懸念し、二十市町が行革案の全体像について「反対」「どちらかといえば反対」と答えた。実施されれば、市町にはどんな影響が想定されるのか。見直しされる事業について、どう対応していくのか。各市町の主張や姿勢を二回に分けて詳報する。
■影響大きい事務事業 老人医療費助成35市町
新行革プラン案で見直し対象に挙げられた事務事業三十八項目のうち、市町行政に関係が深い十三項目について「特に影響が大きいもの」を三つずつ回答してもらった。
四十一市町のうち、三十五市町が老人医療費助成、三十市町が乳幼児医療費助成を挙げ、この二つに回答が集中した。
いずれも、健康保険に上乗せして行政が医療費を助成する「福祉医療」と呼ばれる施策に当たり、県と市町が分担して助成している。
老人医療費助成で、県は「ほとんどの都道府県が廃止しているが、制度そのものは守る」とし、激変緩和策を検討した上で低所得者への重点化などを検討。しかし、多くの市町から「現行の対象者が多く、額も大きいので、負担を肩代わりできない」との不満が噴出。
また、本年度から対象を小学校入学前から小三までに拡充したばかりの乳幼児医療費助成も、低所得者へ重点化する方針。市町からは「朝令暮改だ」(洲本市)などの声が上がった。
市町に財源として地方交付税が配分されていることを理由に、補助額を切り下げる妊婦健診費補助を挙げる市町も多く、福祉分野での市町の反発が色濃く反映された。
■財政への影響総額58億 高齢化率上昇で負担増に
県の新行革プラン案による事務事業の見直しで、各市町への単年度での影響額を試算してもらった=表。影響額が最も大きいのは神戸市で十二億円、最少が市川町の千五百万円。総額は約五十八億円だった。
各市町で算出基準が一定しないため、単純な比較はできないが、財政規模の大小以外に、高齢化率の高いところで、影響額が大きくなる傾向がある。額の内訳では、多くの自治体が老人医療費助成や乳幼児医療費助成の見直しによる影響を挙げている。
この影響額をどのように処理していく方針かを聞いたところ、「すべて吸収して住民サービス水準を維持する」と答えた市町はゼロで、県同様に厳しい市町財政の現状を浮き彫りにした。
「一部吸収し、サービス水準切り下げは最小限に」は十二市町。「吸収不可能。サービス水準を切り下げざるを得ない」が三市町あり、「まだ分からない」が二十六市町だった。
■市町行革への反動 「見直し必要」25市町に及ぶ
二〇〇四年度に地方交付税が大幅削減された影響などで、厳しい財政事情を抱える県内の市町も行革に取り組んできた。実質公債費比率が25%を超える香美町や芦屋市を含め、起債が自由にできない同比率18%超の市町が十九に上る。
県行革が、それぞれの市町で進める行革に与える影響を聞くと、「見直しが必要」と回答した市町が二十五にもなった。「特に行革はしていない」はゼロで、きついやり繰りを迫られる台所事情がさらに厳しくなることが予想される。
「独自の行革により各分野での削減を進めている。県行革で追い打ちされることも考えられる」(香美町)などの切実な声もあった。
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