兵庫県の人件費抑制策であるが、内実は、大企業奉仕の大型公共事業や補助金行政のツケを県教員に転嫁するもの。
兵教組は「財政破綻しては元も子もない」と述べているが、だからこそ、なぜ破綻の危機に瀕しているのかを正面から問うべきであった。
それがなければ、来年も、再来年も同じ理由で「苦渋の選択」をのんでいかねばならなくなる。
教員年収平均30万円減 校長は90万円減 兵庫県(神戸新聞、2月29日)
兵庫県は二十八日までに、市町立小・中学校や県立高校などの教員の給料を、年収平均で約三十万円減額すると決めた。校長で同約九十万円減、二十歳代の教諭でも同約十五万円減となり、県内の教員約三万三千人で百億円に上る削減は「兵庫県教委史上初」という。
財政再建のために県が策定した新行革プランの一環。県の条例改正を経て四月から実施する。県教委によると、給料月額のおおまかな減額幅と減額率は、二十代の教諭=五千-六千円(2・5%)▽三、四十代教諭=一万-一万二千円(2・8%)▽五十代教諭・主幹教諭=一万三千-一万四千円(3%)▽教頭=二万円(4%)▽校長=三万円(6%)▽大規模校の校長=三万五千円(7%)。
ボーナスの減額は、四十代教諭までは数万円、教頭で十数万円、校長は二、三十万円に上るという。地域手当や、校長・教頭対象の管理職手当も減額される。
労働組合との交渉は難航したという。組合側からは「生徒に教えることは変わらないのに、なぜ行革の影響を受けなくてはならないのか」などと不満が噴出。当初案では教諭は一律で給料月額3%カットとなっていたが、若手は緩和されるなどした。兵庫県教職員組合(兵教組)の幹部は「県が財政破たんしては元も子もないので苦渋の決断をした」と述べた。
県教委は、二〇〇八年度予算額を前年度比で約百九十億円減としたが、そのうち人件費による削減が約百五十二億円を占めている。(霍見真一郎)
スポーツ界も“緊縮”強化費1億円カット 兵庫県(神戸新聞、2月28日)
兵庫県の2008年度予算案で競技スポーツの強化費が大幅に抑制された。前年度から約30%削減し、合宿や遠征費など、競技団体の活動費がカットの対象となる。06年の「のじぎく兵庫国体」では初の男女総合優勝を飾った「チーム兵庫」。昨年の国体でも井戸敏三知事が目標に掲げた5位入賞を果たしたが、強化費削減で今年の目標は「8位以内」にトーンダウン。緊縮財政の中、スポーツ界も逆風にさらされそうだ。(松本大輔)
06年の兵庫国体で培われた競技力の維持、発展を目指し、県は07年度から強化対策として「新兵庫県競技力向上事業」を実施。有望選手の強化合宿やジュニア教室などを開催している。 厳しい財政を反映し、08年度の同事業の予算案は前年度の3億5000万円から1億円減。各競技団体に配分される強化費は絞り込みを強いられ、国体に向けた合同練習、合宿の回数は前年より減少する見込み。強化費の対象選手もこれまで広く有力選手に割り当てられてきたが、国体出場候補に限定される。 県からの支援が減り、競技団体は対応に苦慮する。県バスケットボール協会は従来通りの合同練習を計画するが、「昨年の国体で成績が振るわず、かなりカットされるだろう。協会の出費で補わなければ」と気をもんでいる。 県スポーツ振興課は「十分な強化費ではないが、工夫して有効に使っていかなければ。競技団体にも理解を求めたい」としている。
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