高田ケラー有子『平らな国デンマーク』(NHK出版、2005年)を読み終える。
副題は「『幸福度』世界一の社会から」。
小島ブンゴード孝子/澤渡夏代ブラント『福祉の国からのメッセージ』(丸善ブックス、1996年)を読み終える。
こちらの副題は「デンマーク人の生き方・老い方」。
ロッテルダム大学のある教授の調査によれば、2004年に、デンマークはスイス、マルタとならんで、世界一「幸福度」の高い国になっている。
とはいえ、どんな国にも独自の成り立ちがあり、それぞれの特徴というものがある。
『平らな国』の著者は、外国人への差別意識を感じることもあると率直に書き、他方で、たくさんの孤児を世界各地から養子として受け入れている事実も紹介する。
同じ外国人でも、大人と子どもでは、受け入れ方に相違があるということだろうか。
『福祉の国』は、デンマーク社会の特徴を、排他的でない個人主義が育っており、「自分で決定できる」国民が集まった点に求めている。
充実した福祉制度の背後には、人々のどう生きたいかという基本的な人間ビジョンが先にあったとも。
個人の成熟、個性の発達という問題は、資本主義社会の成熟度をはかる重要な尺度にもなってくるのだろう。
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