日米間の自由貿易協定について、アメリカ政府は慎重姿勢をとっている。
当面は、個別の課題で日本に「建設的な役割」を求めていくと。
要するに、一律に「自由化」すればアメリカ側にも痛みが出る。それを回避しながら、日本市場へのアメリカ側の参入を進めていきたいということである。
米政府、日米FTAに慎重姿勢 年次通商報告を提出(朝日新聞、3月5日)
米政府は4日、通商政策の課題を盛り込んだ年次報告書を議会に提出した。日本との自由貿易協定(FTA)交渉の可能性について「二国間FTAができないかどうか探る声が増えているが、双方経済の規模や複雑さなどを考慮すると、両国間の経済史上で最も大がかりな事業となる」と、慎重な姿勢を示した。
FTAは将来の課題として温存する一方で、「当面は規制改革の推進や農業分野の市場開放、ドーハ・ラウンド(世界貿易機関〈WTO〉の多角的貿易交渉)での一層の建設的な役割を強く迫ってゆく」と、懸案ごとに集中的に取り組む方針を表明。とくに牛肉の輸出問題では、日本政府による牛の月齢制限の撤廃が米業界にとって重要であることを強調した。
米景気の減速とともに、議会では保護主義的な動きが表面化しているが、ブッシュ政権はすでに政府間で合意したコロンビア、パナマ、韓国とのFTAの承認を議会に要請した。
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