国連人権理事会が、加盟192ケ国の人権状況を4年で審査していく「普遍的定期審査」の一環として、日本の人権保護状況を議論した。
42ケ国が発言し、死刑制度と「慰安婦」問題に議論は集中した様子。
従軍慰安婦問題への対処要請=国連人権理の対日審査で-北朝鮮など(時事通信、5月10日)
【ジュネーブ9日時事】国連人権理事会は9日、日本の人権保護状況を検証する作業部会を開いた。会合では、北朝鮮、韓国、フランス、オランダが旧日本軍による戦時中の従軍慰安婦の問題を提起し、日本政府に誠実な対応を求めた。
これに対し日本政府は、「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金、2007年に解散)を通じて元慰安婦への支援を行ったことなどを説明、理解を求めた。
国連人権理事会:死刑執行停止を日本に求める(毎日新聞、5月10日)
【ジュネーブ澤田克己】国連人権理事会は9日、国連欧州本部で日本の人権状況を審査した。英仏など欧州諸国は日本が死刑制度を存続させていることを批判。10カ国以上が、昨年12月に国連総会で採択された死刑執行停止決議を受け入れるよう日本に求めた。また韓国と北朝鮮、オランダ、フランスの4カ国は、従軍慰安婦問題で日本政府が前向きな対応を取るよう求めた。
審査は国連加盟国すべてを対象に人権状況を調べる「普遍的審査」で、日本が対象になるのは初めて。
死刑制度への批判に対し日本は「死刑制度は日本では世論の支持を受けている」などと反論した。従軍慰安婦問題では、政府としても謝罪をしているという従来の立場を強調した。
国連の人権審査、日本の死刑増加に懸念表明相次ぐ(読売新聞、5月10日)
【ジュネーブ=大内佐紀】国連人権理事会で9日、日本を対象とする「普遍的定期審査(UPR)」が開かれ、死刑制度、従軍慰安婦問題などが人権侵害にあたるのではないかとの指摘が各国から相次いだ。
UPRは、国連人権理事会が国連全192加盟国の人権状況を4年をかけて審査するという新しい制度で、今春から導入された。
対日審査では42か国が発言を求め、特に欧州諸国から「最近、死刑執行が増加していることに強い懸念を覚える。死刑は非人道的だ」(ルクセンブルク代表)など、死刑制度の廃止を迫る声が相次いだ。
従軍慰安婦問題については、北朝鮮、フランス、オランダ、韓国の4か国が、日本政府の対応が補償などの面で不十分だと批判した。中国は、日本の戦時中の問題には一切、言及しなかった。
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