大学の中では、教育関連ニュースが教職員宛に流されている。
毎日いくつもあるのだけれど、その中から2つを紹介。
若い世代の非正規雇用比率の上昇はひどいものだ。
他方、靖国流「教育再生」を目論んだ「教育再生懇談会」(旧教育再生会議)は廃止となった。
若者の非正規雇用、10代後半は7割=内閣府(時事通信出版局・内外教育研究会、08年11月21日)
内閣府は21日、2008年版「青少年の現状と施策」(青少年白書)を発表した。若者の間で派遣や契約社員、フリーターなど非正規雇用の割合が増えており、10代後半では、ここ15年間で72%に倍増。内閣府は「中卒や高卒の若者が正規雇用職員になれず、非正規雇用に流れるケースが増えたのが要因」としている。
総務省の就業構造基本調査によると、雇用者全体に占める非正規雇用者の割合は、15-19歳が1992年の36%から07年には72%に、20-24歳は17%から43%にそれぞれ増えた。非正規雇用の比率は全年代で増えているが、25-29歳(12%から28%)、30-34歳(14%から26%)に比べると、24歳以下の増加幅が大きい。
このほか白書では、子どもとの接触時間が「ほとんどない」と答えた父親の割合が、2000年の14%から06年は23%に増えたほか、子どもの悩みを「知らない」と答えた父親が約70%、母親が約35%いるという調査結果を紹介。「長時間労働など家庭を取り巻く環境の変化が、子どもにとって好ましくない状況の背景となっている」と指摘している。
「教育再生懇」首相が廃止決定、教委改革一段落後に(読売新聞、08年11月21日)
麻生首相は24日、政府の教育再生懇談会(安西祐一郎座長)の廃止を決めた。廃止時期は、懇談会が取り組んでいる教科書や教育委員会の改革などの議論がまとまった後とする方向だ。
同懇談会廃止後の教育に関する有識者会議の在り方については、近く首相と塩谷文部科学相が会談し、調整に入る見通しだ。
懇談会は、安倍内閣が2006年10月に設置した教育再生会議を今年2月に衣替えしてできた。5月には英語教育の強化などを盛り込んだ1次報告を福田首相(当時)に提出。来年1月までに2次報告で教科書の充実、3次報告で大学や教育委員会の改革などを答申する予定だが、福田政権下での9月22日の会合を最後に、麻生政権では1度も全体会議が開かれていない。
同懇談会の議論は、文科相の諮問機関、中央教育審議会(中教審)との重複も多いと言われてきた。自民党文教族として影響力を持ってきた首相が、直属機関である同懇談会の廃止に踏み切る背景には、「首相は大方針を示し、具体論は各省に任せた方がいいという考えが、麻生首相にはある」(周辺)ためと見られる。
ただ、同懇談会の前身である教育再生会議が、学力低下への不安に対し、政府として初めて「ゆとり教育の見直し」を提言したことへの評価もあり、官邸主導の教育行政の継続を求める声もある。一時は教育再生会議と衝突した文科省内にも、「有識者会議と連携できれば、世論喚起や予算獲得で利点がある」との声があり、今後の調整が注目される。
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