3月10日、5時には、ゆっくり風呂に入る。
露天風呂をいやがっていた新参も、
風呂桶に雪を入れて溶かす新しい遊びを覚え、
すっかり露天好きに変身する。
6時半からの夕食では、
「15年に1度の大儀式」として
「幹事の交代式」を執り行う。
第1部・現幹事が語る思い出、
第2部・現幹事がみなの称賛を浴びる、
第3部・新幹事のご挨拶
という次第とする。
新幹事には、参加2年目の若手抜擢となる
T中先生を指名する。
スキーの技術はまだまだで、
つねに一言多いが、お祭り好き。
それが抜擢理由であった。
宴会の後、9時から新参と眠りに落ちるが、
10時に、こちらは「宴会に来い」と起こされる。
「ゴクラクスキーの歴史」をふりかえる
集いが開かれていく。
まじめ、堅実だったK先生時代、
今日のゴクラクの土台をつくったU先生時代、
そして、シュプール号の本数激減をきっかけに
ブルジョア化路線を突き進んだわが時代。
「マルクスは貧乏を良しとしたのではありません」
「誰もが豊かになろうと闘ったのです」。
「そういえば、そうだ」「なるほど」。
ここでも、マルクスを力説してみる。
あの時のあのこと、この時のこのこと、
わいわい歴史を思い起こす。
新幹事T中先生は、悲しいかな
いまだ「奴隷長」と呼ばれつづけ、
さっそく、「クーデター」「権力闘争」「失墜」
などの言葉にまみれていた。
11時すぎの終了となるが、
さらに酒宴をつづけて、もどったT中先生は、
「あっ、F生クン、いないんですね」といいながら、
部屋のドアに鍵をかけて寝る。
12時すぎにもどったF生は、
あわれ廊下で部屋のチャイムを鳴らすことに。
こうして、新幹事の足元は
早くもゆらいでいくのであった。
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