2月1日、ひさしぶりに学習会の「よびかけ」を書く。
和歌山のみなさんへの「よびかけ」である。
テキストは不破哲三著『「資本論」はどのように形成されたか』(新日本出版社、2012年)。
以下は、その文章の、とある部分。
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【今回の研究が示していること】
しかし、今回の『「資本論」はどのようにして形成されたか』の到達点からみると、それはまだ、マルクスの経済学探求史の全容を詳細につかみ、その高みから現行『資本論』の命題や構成の諸問題を全面的にとらえかえすものにはなっていませんでした。
いま、それが実感できるのは、この本が、大量の『資本論』草稿を執筆順に吟味することで、いつ、どの論点で、マルクスの認識にどのような発展があったかの究明を大きく進めるものになっているからです。
その作業の結果、この本は、次のような大きな2つの意味をもつように思います。
1つは、これによって、現行『資本論』の全体を経済学探求のできあがった最高の到達ととらえるのでなく、そこにまぎれこんでいるより未熟な認識を正確に腑分けし、それによってマルクスの最高の到達をより厳密に、いわば不純物なしで理解することを可能にしているということです。
もう1つは、マルクスが執筆しようとした経済学の全体系や時々に重視された方法論が、最終的に『資本論』全3部(学説史をふくめて全4部)の構成や方法にたどりつく過程が明らかにされ、それによってマルクスによる経済学探求の全体構想にしめる『資本論』の圧倒的な地位が明らかにされているということです。
他にも、いまの私には理解が届いていない大切な問題があるかも知れません。そこは、みなさんとの学びの中で、さらに深めていきたいと思っています。
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3月20日(祝)の企画です。
和歌山のみなさん、ご参加をよろしく!
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