3月23日~31日の「マルクスの旅」で考えたこと。
〔マルクスをめぐって〕
1)「19世紀のマルクス」と「20世紀のマルクス」。
スターリン等によってゆがめられたマルクスでなく、
マルクスその人の思想と実践を正確にとらえてこそ、
今日、それを生かすことができる。
2)マルクスとエンゲルスの関係をめぐって。
生活面でのマルクスの欠落を補うエンゲルスと、
理論面での両者の見解の相違の双方を。
3)「人間マルクス」とマルクスの理論的成果の区別。
経済力、フリードリッヒ・デームート問題など、
実生活における難点もマルクスの実像として直視して。
「革命への奉仕」などと美化しない。
ゆがめられた20世紀の「マルクス教」(原理主義)でなく。
4)ハイゲイトの「墓」にあらわれたプロパガンダ。
墓の大きさ、形の異様さと、
マルクスの「偉大さを誇示」しようとした
その政治的な意図の異様さ。
ここにも、つくられた「20世紀マルクス」の重要な要素が。
5)「19世紀のマルクス」を歴史的な変化の中で。
1848年革命(『共産党宣言』)時のマルクスと
『資本論』を練り上げていくマルクスとの
理論的な成熟度の大きな違いを忘れずに。
資本主義論でも、革命論でも、未来社会論でも。
6)各国での「19世紀マルクス」の受容と日本の特別な地位。
スターリンの支配の網にかからなかった戦前日本、
「50年」攻撃とのたたかいの中で「自主独立」に達した戦後の日本。
そこには、ソ連崩壊に連動して壊滅した
ヨーロッパにおけるスターリン主義との対象性が。
7)アメリカの歴史における「19世紀マルクス」の影響は。
ニューヨーク・トリビューンへの大量の寄稿を通じて、
ルーズベルト時代におけるマルクスの影響は、
バーニー・サンダースの歴史的出自についても。
マルクスが亡くなった時に、
アメリカでも大衆的な追悼集会(クーパー集会)が行われている。
8)「機械」の登場と急速な発展を前にした人々の感性は。
職人の手を模倣した「作業機」をもつ機械の異様。
その急速な「生物学的」進化と、
それによる職人の社会的地位低下。
19世紀前半までの「労働」運動の主力は、
こうした駆逐の憂き目を見た職人たち自身。
※以上、ユルゲン・ヘルス氏の講演、その後の懇親や、
内田先生との「対談」による刺激をへて。
〔その他〕
1)椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』を読む。
ハイゲイト墓地を歩きながら、
このあたりは土葬がほとんどなのか等と。
2)悔やまれたのは線量計を持っていかなかったこと。
北極海上空を高く飛ぶ機内で
どれほどの放射線被曝があるものかを、
自分の目(機器)で確かめたかった。
3)首まわりの安眠マクラ、スリッパは便利だったが、
明け方の飛行機の中は寒かった。
あのペラペラ毛布だけではなあ。
石川先生ご苦労様でした。
さっそくですが「西宮革新懇臨時総会」と「講演会」は成功しました。
以後発展させるために原案を事務室で協議し代表世話人会へ提示しますのでご指導よろしくお願いいたします。
投稿情報: 阿波角孝治 | 2016/04/01 10:50
おつかれさまです。「ご指導」は無理ですが、可能な限りで意見は伝えさせていただきます。よろしくお願いいたします。
投稿情報: ワルモノ | 2016/04/02 17:38