「米下院国際関係委、日本の慰安婦関連決議案を可決」(朝日新聞)。
「米下院の国際関係委員会は13日、日本による第2次世界大戦中の従軍慰安婦動員に関する決議案(下院第759号決議案)を初めて審議し、これを可決した。『中国新聞網』が報じた」。
「同決議案は民主党のレイン・エバンズ議員と共和党のクリス・スミス議員が4月に提出したもので、日本政府に対し▽従軍慰安婦動員の事実と責任を認める▽従軍慰安婦問題が人権に反する問題であることを現在および次世代の日本国民に教育する▽慰安婦を否認するいかなる主張に対しても公に強く反論する▽国連やアムネスティ・インターナショナルの慰安婦関連勧告を履行する――ことを求めている」。
「同決議案は、日本政府の承諾の下で慰安婦に対して行われた暴行、強制堕胎、性暴力、人身売買などの反人類的犯罪は、20世紀における最大規模の人身売買事件であり、その被害者は20万人に達するとの歴史学者の見解に言及。また、第2次大戦の戦勝国および関係国との賠償協議において、日本政府はこの方面の戦争犯罪をいまだ完全に公開していないと指摘している」。
以下,WAMのML情報(810)から,この問題についての韓国での報道の様子を紹介しておきます。
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米下院国際関係委、慰安婦決議案 初採択の報道をお伝えします。
なお、関連記事および論評は、追ってお送りします。
1) 米下院国際関係委、慰安婦決議案 初採択 (聯合ニュース)
2) 米下院、慰安婦決議案初めての採択 (mbn)
3) 米下院、日本軍慰安婦決議案通過 (KBS)
1) ***************************
[聯合ニュース 2006-09-14 01:07]
米下院国際関係委、慰安婦決議案 初採択
日政府に慰安婦の責任認定など要求
下院の全体会議でも無難に処理されるもよう
(ワシントン=聯合ニュース) 金炳洙特派員= 米国下院国際関係委が1、3日(現地時間)第2次大戦当時日本の従軍慰安婦動員関連決議案(下院決議案759)を初めて上程し、全員一致で可決処理した。
この日採択された慰安婦決議案は、今年4月民主党レーン・エバンズ(イリノイ州)、共和党クリストファー・スミス(ニュージャジー州)議員が共同提出したもので、日本政府に対し、▲従軍慰安婦の動員の事実と責任を認めること ▲この問題が反人権的問題であることを現在と未来の世代に教育すること ▲慰安婦動員を否定するいかなる主張に対しても公開的に強く反論すること ▲国連および国際アムネスティ慰安婦勧告案を履行することなどを要求している。
米下院で慰安婦決議案が最終採択されれば、第2次大戦当時の日本の蛮行に対して米国社会はもちろん全世界に想起させ、今後慰安婦賠償問題などにおいて日本政府を圧迫する効果があると予想される。
これに先立ち、2001年と2005年にも慰安婦関連決議案が米議会に提出されたことがあるが、日本側のロビー活動によって、毎回上程すらできずに廃棄された。慰安婦決議案が下院主務常任委に初めて上程されて全員一致で通過したことによって、下院の全体会議でも無難に可決処理される可能性が高いと見込まれる。
決議案は、歴史家たちによればその被害者数が20万名に達する慰安婦強制動員が、20世紀に発生した人身売買事件の中で最も大きな事件として、彼女たちに対する暴行、強制堕胎、性暴行、人身売買など数多くの反倫理的犯罪が日本政府によって公式になされたり調整されたと指摘した。
また、日本政府が第2次大戦戦勝国および関連諸国との賠償交渉で、このような戦争犯罪に対して完全に明らかにせず、一部の日本教科書は第2次大戦中慰安婦の悲劇と別の蛮行を縮小記述しており、その上日本政府の役割を歪曲していると明らかにした。
一方、この間米国内韓人社会と慰安婦問題関連団体は、米議会での従軍慰安婦決議案上程および通過のために汎韓人社会次元で署名作業と共に地方区議員に手紙を送る運動など大々的なキャンペーンを繰り広げた。
2) ************************
[mbn TV 2006-09-14 08:47]
米下院、慰安婦決議案初めての採択
米下院国際関係委が、第2次大戦当時日本の従軍慰安婦動員関連決議案を初めて上程して全員一致で可決処理しました。
決議案は日本政府に対して従軍慰安婦動員事実を明白に認め、歴史的責任を受け入れること、反人間的でおぞましいこの犯罪に対して現在と未来の世代に教育することなどを要求しています。
今回の決議案は、強制的な拘束力があるものではありませんが、第2次大戦当時の慰安婦強制動員など日本の蛮行に対し、米国社会はもちろん全世界にこれを想起させることはもちろん、今後慰安婦賠償問題において日本政府を圧迫する効果があると予想されます。
3) ***********************
[KBS TV 2006-09-14 07:51]
米下院、日本軍慰安婦決議案通過
<アンカーコメント>
米下院国際関係委員会が、日本の従軍慰安婦動員を非難する決議案を全員一致で通過させました。ワシントンからミン・ギョンウク特派員が報道します。
<リポート>
日本が第2次大戦中に韓国人婦女子を戦場に引っ張っていき慰安婦として虐待した蛮行を非難する決議案が、ついに米下院国際関係委員会を通過しました。
日本軍慰安婦動員関連決議案は、2001年と昨年の二回にわたり提出されたが、日本のロビ活動ーで表決にも入ることができずに廃棄されていました。
今日下院国際関係委員会を通過した決議案は、日本政府に対して慰安婦動員事実を認めて歴史的責任を受け入れ、反倫理的でおぞましいこの犯罪に対し、現在と未来の世代を教育するように要求しました。
また、慰安婦に対する追加措置を決める時、国連女性暴行特別調査官とアムネスティのような国際人権団体の勧告を真剣に考慮することなどを要求しました。今回の決議案は、強制的拘束力があるものではありませんが、第2次大戦当時行われた日本の蛮行に対し、米国社会と全世界の注意を喚起させ、今後の慰安婦賠償問題において日本政府を圧迫する効果があると予想されます。
米下院国際関係委員会は、明日小泉総理の靖国神社参拝など日本の過去事問題で造成された韓国、中国との関係悪化問題などを扱う聴聞会を開く予定であり、日本軍慰安婦問題も扱われると見られます。
今日通過した決議案は、日本政府による慰安婦事件を20世紀に起きた最も大きな規模の人身売買事件だと規定しました。
ワシントンから、KBS ニュース ミン・ギョンウクでした。
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15日に米下院で開催予定の「日本の過去事聴聞会」の報道と、「慰安婦」決議案に関する論評記事(聯合)と社説(ソウル新聞)を紹介します。現在のところ韓国の新聞社で、社説・コラムとしして採り上げられたものは、この2社のものだけです。
1) 米下院、明日「日本の過去事聴聞会」開催 (聯合ニュース)
2) 米、慰安婦決議案、日本の過去の蛮行を告発する象徴的意味 (聯合ニュース)
3) <社説> 注目される米議会の従軍慰安婦審議 (ソウル新聞)
1) ***************************
[聯合ニュース 2006-09-14 01:10]
米下院、明日「日本の過去事聴聞会」開催
(ワシントン=聯合ニュース) ユン・ドンヨン特派員= 「日本の過去事聴聞会」が、14日午前米国下院国際関係委員会で開かれる。
国際関係委員会は、この日「日本の周辺国関係: バック トゥ ザ ヒューチャー(Back to the
Future)」という名の聴聞会で、小泉純一郎総理の靖国神社参拝など日本の過去事問題による韓国、中国などとの関係悪化問題およびこれと関連するアジア地域での米国の利害関係などを扱う。
この聴聞会は、本来7月27日に予定されていたが、当時米国を訪問したイラク総理の上・下院合同演説のために延期になっていた。当初、聴聞会の題名は、「日本の緊張した周辺国関係: バック トゥ ザ ヒューチャー(Back to the Future)」で
あった。
聴聞会の証人としては、日本通と知られるマイケル・グリーン前ホワイトハウスアジア担当選任補佐官、ミンディ・コトラーアジア政策ポイント(APP)局長、カット・キャンベル戦略国際研究所(CSIS)国際安保プログラム局長が出席する。
米議会が、日本の周辺国と緊張関係に対する憂慮のために、このような聴聞会を開催するのは初めてだと伝えられている。
2) ***************************
[聯合ニュース 2006/09/14 04:43]
米、慰安婦決議案、日本の過去の蛮行を告発する象徴的意味
日本の妨害ロビー活動にもかかわらず、可決されたことが大きな成果
(ワシントン=聯合ニュース) キム・ビョンス特派員= 米国下院の国際関係委が、13日(現地時間)第2次大戦当時の日本の従軍慰安婦の強制動員に関連した決議案を採択したことは、強制力はないが、日本の過去の蛮行に対し、米国をはじめとして国際社会に想起させる契機になったという点で、少なからぬ意味がある。
今まで、米国議会に慰安婦関連の決議案が提出されたのは、2001年と2005年に続き、今回が3回目。しかし、日本側の執拗な妨害ロビー活動に押さえこまれ、米国議会で表決はおろか、甲論乙駁のための議案の上程さえできないまま、ともに廃棄されてきた。
米議会は、この問題だけなく、日本の戦争捕虜虐待など、日本の過去事問題には蜜をなめたようにおとなしく、沈黙していた。日本は、今回も慰安婦決議案の採択を阻止するために、全方向のロビー活動を展開した。
日本は、政府が直接乗り出しもし、米国内の親日派の議員たちを前面に出し、ヘンリー・ハイド米下院国際関係委員長をはじめとする議員に相当な圧力と懐柔を行使したことが伝えられている。
決議案は、当初今年6月に上程・審議される予定だった。しかし、日本は6月末に小泉純一郎日本総理の米国訪問を前にして、大々的なロビー活動を繰り広げ、一時この決議案も光を見られないまま、またもや廃棄される危機に処しもした。
このような点から、慰安婦決議案の採択は、外交的に意味ある成果だという評価も出てきている。アメリカ国内の韓人社会と、慰安婦関連の諸NGO(非政府機構)も「対抗ロビー」を展開して、慰安婦決議案の処理の可否が韓日間の自尊心をかけた外交戦の様相を帯びもしたからだ。
今回決議案が通過したことは、何より米議会で超党派的に決議案が推進されたためだと分析されている。今回の決議案は、民主党のレーン・エバンズ(イリノイ州)、共和党のクリストファー・スミス(ニュージャジー州)議員が共同発議し、下院の国際関係委に所属する議員11人をはじめとする下院議員52人が署名した。
また、米国内の韓人社会などアジア諸国が連帯し、決議案通過の署名運動を繰り広げ、地方区議員に手紙を送るといったキャンペーンを行うなど、中間選挙を前にして、議会に政治的圧力を行使した点も相当部分作用したと分析されている。
過去の蛮行に対する損害賠償より、日本政府の責任の認定と現在および未来の世代への正しい教育などに決議案の焦点を合わせたことも、決議案の採択を助けたという解釈だ。
決議案は、「慰安婦」の強制動員が20万人に及ぶなど、20世紀に発生した人身売買事件の中で最大の事件であることを、米国をはじめとして国際社会に過去の日本の蛮行を再確認させる契機を提供したという評価もされている。
また、慰安婦に対する暴行、強制堕胎、性暴力、人身売買などが、日本政府によって公式になされたり、調整され、戦後の賠償交渉でもこの問題が充分にとり扱われず、さらに最近の日本の教科書でこの問題を縮小したり政府の役割を過小評価する動きがあることを明示的に告発した。
これにより、今回の決議案は強制性がない勧告決議案にもかかわらず、この間の過去事問題に関連し、痛烈な反省や再発防止の努力がなかった日本の態度を圧迫する象徴的な効果が少なくないだろうという期待ももたらしている。
3) **************************
[ソウル新聞 2006-09-14 09:12]
<社説> 注目される米議会の従軍慰安婦審議
米国下院が、現地時間で13日、日本従軍慰安婦動員関連決議案を審議した。従軍慰安婦動員に対して米議会に決議案が上程されたのは、今回が初めてだ。
決議案は、日本政府が、従軍慰安婦動員の責任を認めて再発防止を約束すること、この問題が反人権的問題であることを現在と未来の世代に教育すること、国連および国際アムネスティ慰安婦勧告案を履行することなどを主要内容に含んでいる。
慰安婦問題解決の正しい方向を提示したと評価できるだろう。内容はもちろん、決議案が米議会に初めて上程されたという点も注目したいと思う。
民主党所属レーン・エバンズ(イリノイ州)議員などが提出した決議案が2001年と2005年に2度も日本政府の強力なロビー活動で上程しえなかったが、今回は共和民主両党議員50名の支持署名を受け、本会議に上程されることになった。
日本政府が、いくら隠し、否認しても、歴史の真実を覆うことはできない。すでに、国連や国際アムネスティも、従軍慰安婦問題を国際社会に告発したことがあり、日本政府は従軍慰安婦問題が韓国と日本、中国と日本などの両国間の次元を越え、国際社会の共通関心事になっていることを悟らなければならない。
日本政府は、しかし事実認定と賠償義務は無視したまま、個人慰労金で責任をごまかしてきた。新しい総理として有力な阿倍晋三官房長官も、1993年の河野官房長官(当時)が日本軍と政府が関与した事実を認めた談話を発表した時、確実な証拠がないとし非難したことがあり、慰安婦問題解決の展望をより一層暗くさせている。
過去事問題は、日本が負っていかなければならない日本の問題だ。韓国、中国、米国など国際社会は、日本が歴史の責任を正面から扱っていくのか見守っている。米議会の決議案上程・審議を契機に、日本政府の姿勢の転換をもう一度求める。
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