○昨日(5月29日)は,昼休みが会議であった。45分の短いあいだに,司会をし,発言をし,弁当を食べ,今後の方向を出さねばならない。なんともせわしないことである。
1時15分から「経済学-企業利益のための労働者切り捨て」,つづいて2時55分から「3年ゼミ-在日朝鮮人抑圧と『捨て石』とされた沖縄」を行なっていく(それぞれ「授業のページ」にアップ)。
ゼミの「軽食休憩」の6時前には,「食べ物をもってこなかった」というN瀬さんを「はるさめヌードル」で「餌付け」してみる。9時をすぎての大学脱出であった。
○輪島功一『炎の世界チャンピオン』(東京新聞出版局,2006年)を読み終える。
元ボクシング世界チャンピオンの自伝だが,樺太生まれ,北海道の開拓村での寒くひもじい子ども時代,小学校6年で親元を離れてはたらきに,中3年で自分の判断で家にもどり,17才で東京に出る……。
生きるために乗り越えねばならなかった壁の大きさに驚かされる。
見かけによらず(失礼),良く考えながらを自分の転機をつくっている。考えることをふくめて,いつも全力をつくすという姿勢もものすごい。
根性が必要なのは練習のときで,本番に必要なのは勇気だというのは名言である。
○網野善彦『日本社会と天皇制』(岩波ブックレット,1988年)を読み終える。
当面の関心事は「近代天皇制」なのだが,中世史にもそこにつながるものがある。
北朝出身の明治天皇が南朝を正統天皇家と認定していく経過があるが,その大きな理由は天皇制継続の危機を乗り切った「後醍醐」への高い評価ではないかと。
あわせて「皇国史観」にも後醍醐天皇による「建武の新政」や,その後の南朝への高い評価があるらしい。
その後醍醐が鎌倉と闘い,北朝と闘う武力として組織した勢力の1つが「非人」や「悪党」など,当時,被差別の対象に突き落とされつつあった人たちだったという。
なるほど「異形の王権」というのは,そういう意味であったのか。
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