内政不干渉をいう中国と,人権問題に応じた対応をせよという「欧米など」。
ASEANにおけるミャンマーの位置を見ても,悩ましい問題ではある。
とはいえ,「宣言」が中国・アフリカ48ケ国の「合意」となった事実は重い。
グローバリゼーションの推進者は欧米先進国だけではなく,
国際ルールのあり方を決める権利も先進国に独占されているわけではない。
「「北京宣言」採択 中国・アフリカサミット閉幕」(朝日新聞,11月5日)。
「中国とアフリカ48カ国の首脳らが参加した「中国・アフリカ協力フォーラム北京サミット」は5日、内政不干渉を前提とした新しい戦略パートナー関係の構築に向けて政治、経済、文化など広範な分野での協力強化をうたった「北京宣言」を採択、閣僚会議も含めると3日間にわたる日程を終えた。
中国は援助による政治関係の強化を基礎に、中国企業のアフリカ投資や貿易の増額を通じて、資源確保や中国製品の販売など実利的な経済関係の拡大を目指す。アフリカ側も中国からの援助や中国への資源輸出に加えて、雇用の創出と経済成長につながる中国からの投資を期待している。
09年までの行動計画として、中国からの援助の倍増など具体策も決めた。一連の会議を通じて、中国とアフリカは合同の商工会議所を設立、中国企業によるナイジェリアでの高速道路の建設など14項目・19億ドルの契約にも合意した。
人権侵害など相互の内政を問わない姿勢については、欧米などから批判がでているが、中国側は「誰が批判しているのか。アフリカは感謝している」(劉建超・外務省報道局長)と反論した。
同フォーラムは00年に閣僚級で始まり、今回が3回目。首脳会議は初めてで、41カ国から首脳が出席した」。
「「中国アフリカ協力フォーラム」北京サミット宣言要旨」(人民日報日本語版,11月6日)。
「 「中国・アフリカ協力フォーラム」は5日、北京サミット宣言を全会一致で採択した。要旨は次の通り。
われわれは、国連およびその他各種の多角的枠組みが改革を進め、国際社会のすべての加盟国に、より良く資することを主張する。改革によって国連の役割を強化し、国連総会の機能を十分に発揮し、発展問題をより重視することを主張する。国連安保理やその他の各機関で、アフリカ諸国の議席と十分な参与を優先的に増強することを主張する。
われわれは、世界最大の発展途上国である中国が平和発展路線を堅持し、世界で最も発展途上国が集中する大陸であるアフリカが安定・発展・振興に尽力することは、世界の平和・発展事業に対する重大な貢献であると考える。
われわれは、新たな情勢の下、中国とアフリカは発展の目標が一致しており、利益が近く、協力の展望は広大だと考える。伝統的な友情の深化と、互恵協力の拡大は、新世紀に中国とアフリカが共同発展・共同繁栄を実現するために、必ず通らなければならない道だ。
われわれは、中国とアフリカが政治面では平等と相互信頼、経済面では協力と相互利益、文化面では交流と相互参考という、新しいタイプの戦略的パートナーシップを構築することを厳粛に宣言する。また、このために、
▽ハイレベルの往来を強化し、戦略対話を実施し、政治的な相互信頼を強化し、世々代々の友好を推進する。
▽互恵協力を強化し、協力分野を広く開拓し、相互の貿易と投資を奨励・促進し、新たな協力方式を模索し、農業・インフラ建設・工業・漁業・情報・医療衛生・人材育成面の協力を重点的に強化する。
▽国家統治と発展経験の交流と相互参考を強化し、各国の自己発展能力を増強する。
▽人文分野の対話を強化し、国民間、特に青年間の結びつきと連係を促進し、文化・科学技術・教育・スポーツ・環境保護・観光などの分野、および女性問題における交流と協力を増進する。
▽国際協力を強化し、安全保障上の世界的な脅威や非従来型の試練に共同で対応し、相互信頼、相互利益、平等、協力の精神に照らし、発展途上国全体の共通利益を守っていく。
▽中国・アフリカ協力フォーラムの構築を促進し、集団対話を強化し、フォーラムの行動計画と「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」、およびアフリカ各国の社会・経済発展計画の調整と協力を推進する。
▽中国とアフリカの友好という大局と双方の長期的利益に立ち、友好的協議によって、協力の過程で出現する新たな課題、新たな試練を適切に処理する。
われわれは、新しいタイプの戦略的パートナーシップの構築は中国とアフリカ双方の共通の願望であり、自主的な選択であり、双方の利益に合致するもので、発展途上国の相互声援、団結と相互扶助、国力の共同強化の増進にプラスで、世界の恒久平和と調和的発展の促進にもプラスであると考える」。(編集NA)
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