経済力の上昇とともに,政治的発言力も拡大している中国だが,現在の中米関係については,双方ともに満足とのようである。
両国の経済的相互依存の深まりは,たしかに双方の政治関係の安定にもつながっていく。
対照的なのは,こうした変化に対する日本の政治の乗り遅れ。それを隠そうとする意図がはたらいてか,日本ではこの情報の報道すらほとんどない。
「胡錦涛国家主席、ブッシュ大統領と会談」(チャイナネット,CRI〔中国国際放送局〕,11月19日)
「ベトナムの首都ハノイで開かれているアジア太平洋経済協力会議(APEC)非公式サミットに出席した中国の胡錦涛国家主席とアメリカのブッシュ大統領が19日午前、会談を行った。
胡錦涛国家主席はこの会談で、中米関係のこれまでの発展に満足の意を示した後、「ブッシュ大統領にまたお会いできて非常にうれしい。今年に入って以来、直接会談するのはこれで3回目である。そして電話会談は4回行い、書簡は何回も交わし、これまでに密接な連絡を保ってきた。これは、中米関係の発展を促した。また両国の間では、各レベルの人的交流が盛んに行われ、双方の貿易額は急速に増えている。アメリカ側の統計では、今年の1月から7月までのアメリカの中国に対する輸出は35%増えた。それに中米間の戦略的経済対話もスタートが決まり、来月の中旬からこれが実施される。このほか、中国海軍の艦艇も6年ぶりにアメリカ本土を訪れている。今日も、中米両国の海軍は中国の海域で合同海上救助演習を行っている。一言で言えば、われわれは中米関係が安定し健全に発展していることに喜びを感じている。中米関係が今日のような情勢を迎えたことは、ブッシュ大統領の有力な指導と切り離せない」と述べた。
ブッシュ大統領も中米関係の現状に満足の意を示し、中国の貿易拡大の目標がアメリカのメーカーや農家にとってプラスとなっているとアメリカ側は見ていると述べた上で、「私は胡主席とこれまで何回も会談してきた。その原因は、双方がともに努力してこそ世界の安全と人々の幸せに寄与できると認識しているからである。中国は、非常に重要な国であり、アメリカと中国の共同の努力は、朝鮮半島核問題やイラン核問題の解決に役立つ。中米関係は良好でらるが、これほど多くのビジネス往来では摩擦が起きることは当然である。双方は互いに尊重すれば、これらの問題を解決することができ、両国国民に利益をもたらすこともできる」と語った。」「CRI」より2006年11月19日
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