力みかえったブッシュ政権のイラク増派政策だが,国内では反対の声が強いらしい。
ブレジンスキー氏さえ「対話を通じた政治解決」を語っている。
米大統領のイラク増派政策、批判・疑問・悲観が噴出 イラク情勢(1月12日,読売新聞)
「【ワシントン=貞広貴志】ブッシュ米大統領によるイラクへの2万1500人の米軍増派を軸とする新政策発表から一夜明けた11日以降、米国では新政策を批判したり、実効性に疑問を投げかけたりする主張ばかりが目立っている。
カーター政権で大統領補佐官を務めた論客ブレジンスキー氏は、12日付ワシントン・ポスト紙に「大統領計画の五つの欠陥」と題して寄稿し、〈1〉「イラクの若い民主主義を過激主義から救う」という構図への単純化〈2〉2万人増派は戦略的に不十分〈3〉対話を通じた政治解決の軽視――を挙げ、新政策を根幹から批判した。
11日付の主要各紙の論調も辛辣(しんらつ)だった。ニューヨーク・タイムズ紙の社説は、新政策を遅延策と見立てたうえで、「この戦争は、長引かせるだけさらに悲惨な結末を呼ぶ段階に達した。イラクには破局以外ない」とする悲観的な見解を示した。
ワシントン・ポスト紙も、「米兵の犠牲がさらに増大する一方、イラク情勢が安定する可能性は低い」と見通した。
ロサンゼルス・タイムズ紙は、新政策を米国からイラク当局への最後通告と位置づけ、「もっと早くイラク当局の責任を追及すべきだった」と主張した。
こうした論議の流れは、政治にも影響を及ぼしている。すでに共和党上院議員49人のうち少なくとも8人が新政策に反対・慎重な立場を表明する一方、発表前に一部議員が増派容認を示唆していた民主党は、反対でほぼ結束した。」
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