ASEANは,従来,経済で先行的に実施することになっていた共同体づくりを,社会・安保もふくめて全面的に2015年に前倒しすることを決定。
次回までには,「ASEAN憲章」の草案もつくるとのこと。
軍政下ミャンマーも排除せず,共同体の中に含みながら民主化プロセスの前進を求める,柔軟な姿勢をとっている。
「ASEAN共同体」5年前倒しへ 首脳会議が閉幕(朝日新聞,1月13日)
「東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議が13日、セブで開かれ、当初目標より5年前倒しし、2015年までに、経済だけでなく「政治・安全保障」「社会・文化」でも連携を深める「ASEAN共同体」の実現を目指すことなどを盛り込んだ首脳宣言を採択して閉幕した。テロ容疑者の引き渡しなどの相互協力を定めた対テロ協力協定、移民労働者の権利保護などに関する宣言も採択した。
中国やインドといった大国が台頭する中で、薄れがちだったASEANの対外的な存在感を高めるため、首脳宣言では「ASEANは地域の平和と安定を保つ大きな力へと成熟しつつある」と、共同体実現に向けた強い意思を表明。法的な枠組みとして、共同体の最高規範となる「ASEAN憲章」制定の必要をうたった。
首脳会議では、有識者会議が12日に示した憲章基本方針案について討議した。参加国によると、ミャンマー(ビルマ)のソー・ウィン首相が、加盟国の資格停止などの制裁や多数決制導入などに異論を唱え、微妙な政治的問題での「全会一致」原則の維持などを求めた。一方、タイのスラユット首相らは「世界の変化に合わせて他の投票方法も認めるべきだ」と方針案に理解を示した。
今後、各国代表による憲章起草委員会が、シンガポールでの次回首脳会議までに草案を作成することで合意した。
一方、首脳宣言と別に出される議長声明では、国連安全保障理事会で軍事政権への非難決議案が否決されたミャンマー問題について、民主化運動指導者アウン・サン・スーチーさんの名前は挙げなかったものの、政治犯の解放や民主化プロセスの進展を呼び掛ける。
また、朝鮮半島の非核化を支持することを確認。北朝鮮の約1年1カ月ぶりの6者協議への復帰を歓迎するとしたものの、核実験などへの非難は避ける模様だ。 」
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