第一回の南米エネルギー首脳会議が終わり,①貧困根絶のためのエネルギー統合,②エタノールの潜在的可能性の認識,③南米エネルギー評議会の設置が確認されたという。
あわせて「南米共同体」は「南米諸国連合」に名称を変更した。
南米エネルギー首脳会議閉幕 統合で発展・貧困根絶へ 市民団体などの役割重視(しんぶん赤旗,4月19日)
【メキシコ市=松島良尚】「南の団結をめざして」をスローガンとしてベネズエラ北部のマルガリータ島で開かれていた第一回南米エネルギー首脳会議は十七日、「マルガリータ宣言―南のエネルギー統合の構築」を採択して閉幕しました。
「宣言」はまず、「エネルギー統合は社会、経済発展と貧困根絶を促進する重要な手段でなければならない」と統合の目的を明確にし、エネルギー資源が多国籍企業などの食い物にされてきた歴史からの離脱を宣言しました。
また、統合を進める主体は「国家、社会、エネルギー関連企業」とし、国家に次いで市民団体などの役割を重視。国営石油企業間の協力の促進も強調しました。
「宣言」はさらに、「バイオ燃料(エタノール)の潜在的可能性を認識する」と表明。省エネのための協力を発展させていくことも盛り込みました。最後に、各国のエネルギー相から成る「南米エネルギー評議会」を設立することを確認しました。
現地からの報道によると、今回の首脳会議で南米共同体という呼称が「南米諸国同盟」(UNASUR)に変更されました。ベネズエラのチャベス大統領は政治的、社会的統合という目標にふさわしい名称にすべきだと主張していました。本部はエクアドルの首都キトに置かれる予定です。
チャベス大統領は、UNASURの当面の課題として、エネルギーの生産、分配、供給を保証する南米エネルギー協定の締結を提案しました。
今回、メディアの多くは、バイオ燃料をめぐるベネズエラとブラジルの「対立」に焦点をあてました。チャベス大統領は、米国がトウモロコシをエタノールの原料にしていることをふまえ、「諸国民の生活に否定的影響を及ぼさない限り、バイオ燃料に反対しない」と強調し、サトウキビを原料とするブラジルのエタノールを輸入する用意もあると述べました。
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