オランダの戦犯裁判の判決文に,当人の意に反した「売春」の「強制」があったことを「確実」と述べる文章があるという。
「民間」経営でありながら,憲兵の監視下にあった「慰安所」「櫻クラブ」でのことである。
とはいえ,安倍氏であれば,強制的に「連行」したわけではないと,「狭義の強制性」の「狭義」を限りなく小さくしていく工夫ができるのかも知れないが。
軍指示で慰安所開設 「靖国合祀」の経営者、占領下インドネシアで(中日新聞,4月12日)
【ベルリン=三浦耕喜】日本占領下のインドネシアで民間の慰安所を経営していた日本人男性に靖国神社への合祀(ごうし)が認められていた問題で、同慰安所の開設が軍の指示によるものだったとオランダ軍による戦犯裁判の判決文に記されていることが十一日、明らかになった。憲兵によって逮捕、監禁された女性の証言も記載されており軍が関与した「強制性」を示す資料ともなっている。
判決文はベルリン在住のフリージャーナリスト梶村太一郎氏(60)がオランダの資料館から入手、近く週刊誌上で発表する。
同戦犯裁判は、インドネシア・バタビア(現ジャカルタ)で民間の慰安所「櫻(さくら)クラブ」を経営していた男性が「婦女子強制売淫」の罪に問われたもの。男性は一九四六年十月に禁固十年の有罪判決を受けた後、服役中に死亡した。
判決文では、慰安所を開設した経緯について「被告は一九四三年六月二日、軍政監部(原文でもGunseikanbu)から売春宿を開設するよう指示を受けた」と記載。「被告は異議を申し立てたものの、二度目の指示で従った」と、軍の強い意向があったことを指摘している。
慰安所は憲兵の監視下に置かれ、オランダ人抑留所などから集めた欧州系の女性二十人ほどを雇用。判決に記された証言によると、慰安所には売春部門と食堂部門があり、どちらで働くかは当初は自由意思だったが、次第に食堂部門の未成年の少女にも売春を強要。拒むと「憲兵を呼ぶ」と脅され、逃亡して実際に憲兵に逮捕、監禁された女性もいた。これらを根拠に、判決文では「多くが自らの意思に反して売春を強制されたことは確実」と認定している。
男性に対しては、厚生省(当時)と靖国神社が一九六七年に合祀を決めていたことが、先月二十八日に国会図書館が公表した資料の中で明らかにされている。
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