日本の貿易相手としては,香港を含んだ中国が04年度から最大だったわけだが,06年度にはついに中国が単体で最大となった。
日本の輸出相手としてはアメリカが最大だが,対中貿易は輸出入とも増加している。
他方,中国側から見ると,日本が最大の貿易相手だったのは03年までのことで,その後は,アメリカ・EUがより上位に立っている。
むしろ中国の方が,多角的な経済交流を進展させているということである。
中国が最大の貿易相手国に・06年度、米国抜く(日経新聞,4月25日)
財務省が25日発表した2006年度の貿易統計速報(通関ベース)によると、中国(香港を除く)との貿易額は前年度比16.5%増の25兆4276億円だった。日中経済の相互補完関係が強まり、戦後初めて米国を抜き最大の貿易相手国になった。世界全体の貿易黒字額は2年ぶりに増加、対米黒字は21年ぶり過去2番目の高水準だった。
輸出額と輸入額を合計した貿易額をみると、米国とは10.3%増の25兆1608億円だった。中国に香港を加えたベースでは04年度から米国を上回っていたが、06年度は中国単独でも最大となった。中国で生産する日本企業向けの部品輸出や、中国産の衣類や電気機器の輸入が拡大するなど、対中貿易は輸出入額とも過去最高を更新した。
輸出額から輸入額を差し引いた世界全体の貿易黒字額は、米国向け自動車の輸出好調などで16.4%増の9兆540億円となった。原油の平均輸入単価が1バレルあたり63.4ドルと過去最高になるなど、世界的な原油高の影響で輸入額は高水準だったが、円安などを背景に輸出の伸びが輸入を上回った。
日本の貿易相手国、米国抜き中国単独で最大に(中国情報局,4月25日)
財務省が25日に発表した日本の06年度貿易統計(速報、通関ベース)によると、香港、台湾を除く中国との貿易総額は前年比16.5%増の25兆4276億円で、戦後初めて米国を上回り、世界最大になった。
輸出額は+21.2%の11兆3145億円、輸入は+13.0%の14兆1131億円で、共に8年連続の増加。貿易赤字は-11.2%の2兆7986億円で、赤字幅は3年ぶりに縮小した。
輸出品目では半導体などの電子部品が+49.9%、非鉄金属が+75.3%などで、輸出の伸びに大きく貢献。輸入品目では衣類および付属品が+8.8%、通信機が+74.1%だった他、音響映像機器は-7.5%だった。農作物輸入では穀物類が-23.5%、野菜が-4.8%だった。
中国、日本にとり最大の貿易相手国に=戦後初めて米抜く(時事通信,4月25日)
【東京25日】財務省が25日発表した2006年度の貿易統計速報によると、中国(本土)が戦後初めて米国を抜いて、日本にとって最大の貿易相手国となった。
日本の対中貿易額が約25兆4300億円に達したのに対し、対米は約25兆1600億円だった。財務省当局者は「中国との貿易が増加する流れは今後も続くだろう」と語った。
輸出は依然として、米国が最大の相手国だが、対中貿易は、輸入が伸びているのと同時に、輸出も増えている。中国本土と香港を合わせた数字では、中国は2004年に最大の貿易パートナーになっていた。
日本では、多くのメーカーが急成長する中国市場における足場づくりや安い労働コストの利用を目的に、生産拠点を同国へ移している。中国側にとって、日本は03年まで11年連続で最大の貿易パートナーだったが、その後、米国と欧州連合(EU)に抜かれている。
日中の外交関係は昨年まで、歴史問題などをめぐって緊張状態が続いていた。 〔AFP=時事〕
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