アフリカ開発銀行には、域外から24ケ国の加盟があり、中国も1985年に加盟しているという。
同銀行の総会がはじめてアジアで行われる。誘致したのは中国である。参加者は2000人に近い大規模なもの。
中国とアフリカ諸国との経済交流は着々と前進している。提案される「中国アフリカ発展基金」は、中国が約6000億円の出資を行うものとなる。
アメリカ追随以外に対外戦略のない日本との格差は歴然。
アフリカ開発銀行総会、16・17日にアジアで初の開催(日経新聞、5月13日)
【上海=張勇祥】アフリカ開発銀行の年次総会が16、17日に上海で開かれる。同開銀には日本、中国など域外国も出資しているが、総会のアジア開催は初めて。開幕式では温家宝首相が演説する。アフリカ関係の会合の中国誘致は昨年11月に48カ国の首脳を北京に集めた「中国アフリカ協力フォーラム」に続く動き。資源確保などを目的にした中国のアフリカ接近戦略が一段と鮮明になっている。
総会は中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁が議長を務める。開幕に先駆け、13日にはアフリカへの経済協力をテーマにフォーラムを開催。アフリカに対する中国の累計投資が117億ドル、中国の国家開発銀行によるアフリカ向け融資が10億ドルに達したことを明らかにした。
史上最大のアフリカ開銀07年次総会、上海市で16日開催(日経BPネット、5月16日)
「アフリカとアジア」「パートナーシップの発展」をテーマとするアフリカ開発銀行の2007年次総会が16日、上海市で開催される。そのウォーミングアップとして、中国―アフリカ経済貿易提携フォーラムとシンポジウムが13日に開催された。中国国家開発銀行とアフリカ開発銀行は機構建設、情報共有、シンジケート融資、与信と交流・トレーニングなど5つの分野で提携を強化していくという。
アフリカ開発銀行のDonald Kaberuka頭取は「今回の年次総会が中国―アフリカ間関係の強化によい機会を与える。中国―アフリカ間の貿易は6年前に比べ、6.5倍にも増加している」と述べた。
77カ国からの来賓は1900人を超える予定で、参加者人数と規模ともに史上最高を記録する見通し。(日中経済通信)
アフリカ開銀 きょうから上海で総会 中国、資源外交へ「存在感」(FujiSankei Business i. 5月16日)
アフリカ開発銀行(AFDB)は中国の上海市で16、17の両日、理事会と年次総会を開く。AFDBがアフリカ域外で年次総会を行うのは2001年のスペインに次いで2回目。今回は石油などエネルギー資源調達でアフリカへの急接近を図る中国が誘致した。中国は総額50億ドル(約6000億円)を拠出する発展基金の創設を提案する。アフリカの経済パートナーとして「存在感」を高めることになりそうだ。(河崎真澄)
《基金創設を提案》
新華社電によると、上海での年次総会は「アフリカとアジア、発展パートナー」をテーマに、発電所や港湾などアフリカのインフラ建設や地域一体化、貧困対策などの問題について討議する。77の加盟国のほか、世界銀行や国際通貨基金(IMF)、非政府組織(NGO)などの代表らも出席し、参加者は2000人近くに上る見通しだ。
16日の開幕式で温家宝首相が演説するほか、理事会の議長は中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁が務める。中国は昨年11月、アフリカ48カ国から首脳ら代表団を北京に招き、アフリカ協力フォーラムを開催した。AFDBはアフリカ域内から53カ国、域外からも24カ国が加盟している。
中国は1985年に加盟。すでにAFDBに対し総額で3億1400万ドルを出資をしている。
共産党機関紙、人民日報は15日までに、中国国家開発銀行がAFDB理事会・年次総会で「中国アフリカ発展基金」の創設を提案することを決めたと報じた。同開発銀はアフリカでの(1)農業や交通、発電、エネルギー関連などインフラ整備(2)投資事業や資金管理(3)中国企業の対アフリカ投資の支援-を柱に、基金を活用する方針だという。
基金はまず10億ドルを中国が拠出して創設し、順次規模を引き上げて最終的に50億ドルにする。アフリカの資源国から中国が原油やウラン、鉱物資源などを調達することを狙いとしている。米国系などメジャー(国際石油資本)が権益の大半を握る中東での衝突を避け、未開発油田を抱えるアフリカを取り込む作戦だ。
胡錦濤国家主席は今年初め、スーダンやザンビアなどアフリカ8カ国を歴訪。対アフリカ関係を重視する姿勢を改めて打ち出している。列強による植民地支配を経験したアフリカにとり、米国とも対峙(たいじ)する力を持ち始めた中国が“救世主”と映ってもおかしくない。
《国際社会は批判》
一方、中国の資金ばらまき型の資源外交がアフリカの経済支配につながるとの批判や、武器輸出問題もからんで、「中国はスーダン西部ダルフール紛争におけるジェノサイド(集団虐殺)資金提供者だ」(米下院のラントス外交委員長)と糾弾する動きもある。こうした国際批判を巧みに避けながらAFDB理事会と年次総会で中国がいかに振る舞うか。国際社会の注目が集まっている。
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