自民敗北、民主勝利といった傾向が見られるということである。
公明も4月の地方選につづいて敗北の傾向が見られている。
現在の自公政治に対する不満のあらわれだろうが、他方、民主で自民型政治が変えられるかについては、さらに深くものを考える必要がありそうだ。
郵政選挙→参院選、自民離れ4人に1人 朝日・東大調査(朝日新聞、7月8日)
「郵政解散」の小泉ブームでわいた05年衆院選で自民党に投票した人のうち、12日公示の参院選では4人に1人が同党には投票しない――。朝日新聞社と東京大学蒲島郁夫、谷口将紀両研究室が共同で実施した有権者調査で、こんな傾向が明らかになった。05年衆院選後の朝日・東大調査では対照的に、民主党が勝った04年参院選で同党に投票したと答えた4人に1人が自民党に投票したとの結果が出ている。2大政党の間を揺れ動くこうした有権者の動向が、今回の選挙結果にも大きな影響を与えそうだ。
05年投票と今回の投票予定
朝日・東大調査はこれまで03年衆院選の前後、04年参院選後、05年衆院選後に同じ有権者グループを対象に連続調査を実施した。今回は、新たな有権者グループを対象にした調査で、5月30日に調査票を郵送し、7月3日までに72.2%(1540人)の有効回答を得た。うち1520人が、05年衆院選の投票先と今回参院選の投票予定について回答した。
参院選で「どの政党または政党の人に投票したいか」と尋ねたところ、民主が37.0%で自民の35.0%を上回った。
05年衆院選の比例区の投票先は自民が約4割。この層に参院選での投票先を聞くと、自民は74.4%にとどまり、民主が16.3%だった。
一方、05年衆院選の比例区で民主に投票した人(27.4%)では、88.5%が参院選でも民主に投票すると回答。自民に投票は3.8%だった。
調査時点で投票先を変えないと答えた人の割合は、自民より民主の方が高い。また、民主は05年に他党に投票した人も引きつけつつある。
今回と正反対の動きが見られたのが、04年参院選と05年衆院選の比例区での有権者の投票先を比較した同年9月の朝日・東大調査だ。
今回とは調査対象の有権者が異なるものの、04年に民主に投票した人で05年も民主に投票した人の割合は3人に2人。民主に投票しなかった人の7割は自民に投票していた。一方、04年に自民に投票した人の81%は05年も自民に投票し、投票先を民主に変えたのは8%にすぎなかった。
今回、有権者が05年衆院選から投票先を変えようとする理由は何か。
05年は自民に投票したが今回は民主に投票するという人に「参院選で最も重視する政策」を尋ねると、「社会保障」が29.3%で最も多い。「景気」(17.2%)、「財政再建」(14.1%)を大きく上回った。「社会保障」を挙げた割合は全回答者の平均(24.9%)より多く、年金問題を中心とした社会保障政策への不満が「自民離れ」の背景にありそうだ。
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〈朝日・東大共同調査〉 今回の有権者調査は層化無作為2段抽出法で新たに有権者3千人を抽出、これをもとに行った政治意識調査に回答した2166人のうち、回答困難と判断した人を除く2133人を対象に実施。参院選の立候補予定者、非改選、引退予定の議員の調査も行った。朝日新聞社は創刊125周年記念事業の一つとして、04年から東大大学院法学政治学研究科に寄付講座「政治とマスメディア」を開設したほか、共同でさまざまな調査・研究活動を進めている。
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