兵庫県の派遣労働者が急増している。
そして、賃金の伸びは低い。
原因は、増加した派遣会社による人間(労働力)の安売り競争だという。
貪欲な市場と資本の論理に、外から「人間らしさ」を持ち込むことこそ、政治の役割なのではないか。
こうまで経済と人間のくらしを破壊しておいて、いまさら「市場万能」でもあるまい。
派遣労働者、3割増の8万8千人 県内06年度(神戸新聞、2月14日)
兵庫県内の派遣労働者数が、二〇〇六年度に過去最高の約八万八千人に上ったことが十三日、兵庫労働局のまとめで分かった。製造現場で違法な「偽装請負」が表面化し、厚生労働省が請負から派遣への切り替えを指導したこともあり、対前年度比30%増と大きく伸びた。一方で、派遣労働者の賃金は、1・6%増にとどまっている。(小林由佳)
派遣労働者は八万八千三百八十一人。このうち、72%に上る六万三千七百四十五人が、日雇いや臨時雇いといった不安定な短期契約で働いていた。製造業務に携わるのは、全体の11%にあたる九千九百二人だった。
県内の人材派遣会社は、24%増の千四百十八事業所。ここ数年、右肩上がりで推移しており、事業所数も過去最高となった。千四百十八事業所の総年間売上高は、労働者数の増加率を大幅に上回る56%増の千四百七十八億円だった。
しかし、労働者に支払われる賃金は、伸びていないのが現状。主に短期で労働者を派遣する「一般労働者派遣事業」の場合、八時間働いたと換算した一日あたりの賃金は、1・6%増の一万百七十三円だった。
同局は「派遣労働者の需要が高い半面、賃金が伸びていないのは、派遣会社が増えて受注競争が激化しているのが一因だろう」としている。
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