〔8月10日(水)〕
8時起床の朝であった。
ベランダの自動水やり器に、あらたに覆いをかぶせていく。
水の蒸発量を、少しでも減らそうとの作戦である。
大阪伊丹空港へ向かい、10時前には空に飛ぶ。
1時間と10分ほどで、初めての鹿児島空港に到着する。
そこから先はバスやらタクシーやら。
まずは、高千穂牧場へ。
気がつけば、ここは、すでに宮崎県であった。
牛のおなかに、おっかなびっくり触ってみる。
「なんか、ふかふかしてたあ」。
はじめて1人で馬にも乗ってみる。
途中、馬が立ち止まって、見事に脱糞。
日々これ挑戦の子ども人生である。
牧場内のこんな看板にも目がとまる。
なにせ、こんな「ご時世」である。
場所がどこでも、こういう乗り物は楽しいらしい。
ヒツジやカブトシムともたくさん遊び、
お昼ごはんをパクパクパク。
北海道ものを思わせる、
なんとも立派なジンギスカン。
意外なところで、意外なものに出くわすものだ。
新参は、おいしいソフトクリームもパクパクパク。
元気に広い芝生を走り回る。
昼寝時間前に帰ろうと、
区切りをつけて、霧島温泉にもどっていく。
ホテルに入り、さっそく昼寝。
そして、お風呂に晩ゴハン。
8時には、ロビーのお楽しみコーナーでクジを引くが、
3本とも「うまいぼう」という結果であった。
その「うまいぼう」を食べながらのミニシアター。
作品は「トムとジェリー」で、
新参には、まったくのおなじみもの。
それでも、愉快そうに笑っていた。
特に「あごが、がしーんとはずれる」
ところが面白いらしい。
10時前には、眠りにつく。
〔8月11日(木)〕
7時半には目が覚める。
相方と新参は、すでに大浴場に向かっていた。
部屋の窓から外を見ると、あちらこちらに湯煙が。
確かに、温泉の街である。
朝のゴハンはバイキング。
好きなものばかりをバクバクと。
荷物をまとめ、ホテルの駐車場で時間をつぶす。
高千穂牧場の「あてもの」で手にいれた
しゃぼん玉をとばしてみる。
これが、けっこう、まわりにウケていた。
庭の中も「探検」してみる。
バスに乗って、もよりの「霧島温泉」駅にたどりつく。
無人の駅に、立派な特急が入ってくる。
にぎやかに降りてきたのは、テレビのロケ隊。
「ゴキブラ」でおなじみの「あかい(赤井英和)」が
ワアワア、いつもの調子でしゃべっている。
カブトムシをながめていた新参も、偶然、からむことになる。
カメラがまわっていないところでは、
ていねいな口調での仕事の電話も。
やはり、テレビで見るのがすべてではない。
こちらは、特急「きりしま」に乗り込んで、
鹿児島市内へ、向かっていく。
九州の特急は、どれもデザインがシャレている。
「鹿児島」駅のすぐ前の水族館に入っていく。
タッチプールでは、ソォ~ッとナマコもつかんでみる。
お昼は、目についた回転寿司屋さんでパクパクパク。
さすがに海の町である。
これがまた、なんともうまく、安かった。
時間つぶしに、近くの水場で遊んでいく。
すぐ横で、大人たちは「お湯」に足をつけている。
そして、高速船トッピー2号に乗って、種子島へ。
トッピーは「とびうお」の愛称らしい。
船内は、お盆の帰省客でいっぱいだった。
新参には、ちょうどいい昼寝時間となっていく。
西之表市の港に入り、
レンタカーを借りて、北へ10分。
お世話になったのは、こちらの民宿「珊瑚礁」さん。
新参は、入り口に立つ大きな木を見上げ、
「なんか、こわい」一言ツイート。
さっそく、こんな見慣れぬ虫が。
別棟の小さなコテージに荷物を下ろしていく。
にぎやかな子ども連れには、ありがたい。
ただちに、家族風呂で汗を流す。
お風呂も、手作り感でいっぱいだった。
海の向こうから、キレイな夕日がさしてくる。
食事はこちらの建物で。
看板には「パッションフルーツガーデン」と。
本当に、天井は一面、パッションフルーツの枝である。
ジュースの注文が入ると、
店の人が、ヒョイと、とびついて実をもぎとっていた。
釜で炊いた、「サーファー米」のゴハンが、格別である。
10時前には、寝たのだろう。
〔8月12日(金)〕
7時すぎには、目をさます。
朝のゴハンは、毎日8時からと決めていく。
まわりは畑だらけで、野菜がたくさん実っている。
新参的朝の基本は、汁かけゴハンが柱にすわる。
大きなメスのカブトムシを、食堂の中に発見する。
勇気を出して、手にもってみる。
満足の後、部屋にもどり、
水着に着替えて、クルマで10分ほど、北へ走る。
こちらが、浦田海水浴場。
日焼け対策は万全である。
まずは、ザクザク、砂遊びから。
つづいて道具をキレイに洗って。
浮輪に足を通していく。
お昼には、お食事処「海の家」
という小さな店が一軒だけ。
そこでカレーやうどんを受け取って、
外のベンチで食べていく。
売店は、こちらの自販機右の一軒のみ。
空気が、ノンビリ流れる土地である。
水のシャワーをあびて、
3時には、宿にもどっていく。
そして、昼寝、お風呂、夕食となる。
一気食い、一気満腹の新参は、
大人の「酒飲み時間」を待ちきれない。
仕方がないので、こちらは毎晩1杯の焼酎を
部屋に持ち帰る日々となっていく。
夜が退屈な時には、DVD。
もっていったのは「スポンジ・ボブ」。
これも、何度見ても、同じところで笑っている。
「すぽんじなのに、なんでほねあるんやろう」。
〔8月13日(土)〕
今朝は、ゴモラやバルタン星人といっしょのゴハン。
空は今日も晴れている。
昨日とちがう、よきの海水浴場を目指してみる。
砂浜には、ほとんど人がいなかったが、
岩場があったので、そこで生き物を探していく。
さっそく、見つかったクモヒトデを、
岩の下から引っ張りだす。
中央に見えるのは、小さなエビ。
そして、こんな小さなサカナたちも。
まだまた、いろんなものが見つかりそう。
ところが、ここでアクシデントが発生。
ドサリ、「アッ」という音と声が聞こえ、
ふりかえってみると、
相方がコンクリートの上に倒れている。
ノリで足を滑らせていた。
かけよると、後頭部からかなりの出血。
上着の右腕部分は、すでに真っ赤にそまり、
血が波打ち際に流れている。
とても、立ち上がれそうな様子でなく、
あわてて救急車を呼んでいく。
ほどなく、大きな病院に。
保険証や着替えを看護士さんに渡し、
こちらは待合室で待っていく。
「傷は小さいけれど、
アタマを打っているので検査をします」。
しばらくすると、相方が、1人で歩いてやってくる。
後頭部に白いガーゼがあてられている。
一緒にCTスキャンの結果をながめていくが、
「ここに、傷があるかもしれない」と医師が悩み、
こちらが、すぐに、MRIをお願いする。
待合室の新参には、
緊張をほぐすために、絵本を読んでいく。
『クラリとティン』を7冊、8冊。
MRIの結果は「大丈夫ですね。問題なしです」。
ホッとして、待合室でパンをパクパク。
病院地下の売店で買ったもの。
支払いをすませ、タクシーで、宿にもどっていく。
昼寝、風呂と、いつもどおりの午後とする。
ただし、相方は「2日間はアタマを洗ってはいけない」ようす。
何もなかったかのような晩ゴハン。
怪獣チームには、エクストラ・レッドキングも追加される。
「大丈夫ですか」「不幸中の幸いですね」「お大事に」と、
たくさんの方からツイートをいただく。
ご心配いただき、ありがとうございました。
部屋での時間も、いつもどおりにすごしていく。
〔8月14日(日)〕
夜のうちに、相方に、悪い症状が出ることもなく、
朝のゴハンの時間を迎える。
まったくもって、ラッキーだった。
新参は、今朝も、汁かけゴハンをザクザクザク。
初めての雨模様の天気だが、
まずは、乗り捨てたままのレンタカーの回収に。
途中、タクシーの中で、運転手さんが、
「馬毛島」問題を熱く語る。
「最初は石油備蓄基地で、次は産廃で、
今度は米軍基地だあ・・・」。
憤懣やる方なしといった様子である。
ちょっと道に迷ったが、無事レンタカーを発見する。
タクシーを降りると、
近所のオカアサンが、出てきてくれる。
昨日、サイレンを聞きつけてやってきて、
不安顔の新参をなぐさめてくれたオカアサンである。
「たいしたことなくて、よかったわねえ。
これにこりないで、また来てねえ」。
人の情けが身にしみる。
お世話になりました。
お礼の言葉を伝えることができて、
本当によかった。
フェリー乗り場の近くにもどり、
地元のスーパーなんぞも歩いてみる。
見たこと、聞いたことのないサカナがたくさんあって、
いちいち感動の気分である。
新参のお昼は「お子様ランチ」。
メニューに「幼児向け」とあることを伝えると、
「まだ、ようじやんなあ」と確認し、
納得してから食べていく。
近くの「鉄砲館」にもまわってみる。
鉄砲伝来方面の話だけでなく、
縄文以前からの種子島の長い歴史がまとめられていた。
目の前のお土産屋さんには、
火縄銃のレプリカがズラズラ、ズラリ。
宿にもどり、スーパーで買った
「ガオライオン」とやらをつくっていく。
しかし、箱には上半身しか入っていない。
完成させるには、別売りの
下半身も買わねばならない「商法」である。
昼寝の後、カラダを冷しに浦田海水浴場へ。
新参は、器用に、足で浮輪をあやつり。
相方も、何事もなかったかのように海に入る。
宿にもどって、風呂で海の塩を流していく。
晩ゴハンには、カニカマを持ち込ませてもらう。
スーパーで新参が、
自分の「おやつ」として選んだもの。
さらに、蒸した地鶏にも、食らいついていく。
こんなに歯ごたえのある鶏肉ははじめてだった。
まったくもって、断固「うまい」。
部屋にもどると、テレビはイモト。
「珍獣ハンター」は、動物つながりで、
新参のお気に入りとなっている。
10時前には、グデリと眠りに落ちていく。
〔8月15日(月)〕
新参は、7時頃には起き上がる。
窓の外は、こんな感じ。
今朝も、怪獣同伴の汁かけゴハンをザクザクと。
左はエクストラ・ゴモラであるらしい。
海が待ちきれず、そこら中をかけまわる。
そして、いつもの浜に突進。
プカプカ、波間をただよっていく。
おにぎりせんべいで休息をとる。
わざと、波に、もまれる余裕も出る。
お昼はカレーをパクパクパク。
大きなショウリョウバッタもつかまえる。
トノサマやコオロギなど、草むらには
いろんな虫が生きていた。
午後も泳いで、その後は、
やはりスーパーへ向かっていく。
走るクルマからの景色である。
海はいろんな顔を見せる。
そして、こちらは、クルマの中の景色である。
さすがに、眠くなっている。
たどりついたスーパーで、
忘れず、「ガオライオン」の下半身をゲット。
新参には、それが目的のスーパーだった。
駐車場には、こんな大きな看板が。
宿にもどって、グデリと昼寝。
そして「ガオライオン」(の全身)を完成させて、風呂に入る。
こちらがその「ガオライオン」である。
さらに、他の箱を買っていけば、
まだまだ、たくさんの合体が可能らしい。
ここでの晩ゴハンも、今夜が最後。
やはり10時前には、寝たのだろう。
〔8月16日(火)〕
相方は、アタマの傷口を見てもらうため、
早くから病院に出かけていく。
そのあいだに、新参は、地面の下のカニを釣る。
こんな具合のカニたちだった。
すぐ横に川が流れており、
雨の日には、そこら中を歩いていた。
嬉しそうに、コンクリートに釘を打ち込んでいく。
そういえば、日常には、そんな機会もないのであった。
毎日、グイグイ育つヘチマたち。
その花には、こんな大きな虫がたくさんブンブン。
朝ゴハンの後は、荷物の片づけを行っていく。
この旅行で読んだ本たち。
それぞれにいろんな「傾向」があっておもしろかった。
そして、最後の海に出かけて行く。
新参はもっぱら「波を欲する人」となり、
ほどよい波の得られるところを探していた。
のんびり、浮かんでいくのは楽しいもの。
シャワーをあびて、ちょっと寂しい気分で、海とお別れ。
こちらが「馬毛島」なのだけれど。
あまりに平らで、わかりにくい。
たしかに滑走路をつくるには、
便利な地形であるのだろう。
土産物屋もちょいと歩き、
一路、種子島空港へ向かっていく。
新参は、グデリと眠りに落ちていく。
かなり体力がついてきた。
空港では、滑走路をペタペタ歩いて、飛行機へ。
空にあがってからは、窓から、
さかんに、「りゅうのす」(ラピュタ)を探していた。
5時半には、伊丹に到着。
6時すぎには、あっけなく簡単に、家にもどる。
ただちに、ベランダを確認するが、
自動水やり器は、ちょうど力をつかい果たしたところ。
残りの水は、わずか1センチ。
それでも、鉢植え、プランターは全員命をたもっていた。
留守中の奮闘をたたえたい。
風呂に入り、冷麺を食べ、
「ケンミンSHOW」を
笑ってながめる夜とする。
これにて、この夏の霧島・種子島珍道中は
全編の終わり。
たまった仕事がおそろしい。
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