期末レポートの設問は、次のようであった。
「世界経済の大局的な変化の方向について、一番重要だと思ったことの内容とその理由を書いてください」。
答案には、「世界経済の大局的な変化の方向」にかかわって、第一に、「一番重要だと思ったことの内容」が示され、第二に「その理由」が示されなければならない。
提出された答案は、「一番重要だと思ったことの内容」について、アメリカの経済的地位の低下、中国や東アジアの台頭、あるいはBRICSの台頭、多極化と地域統合、ソビエトの崩壊などをあげていた。
いずれも「世界経済の大局的な変化」にかかわり、「一番重要」と考えるにふさわしい重大な出来事といえる。
ここまでは、悪くない。
しかし、なぜそれを「一番重要」と考えるのか--他のどの出来事でもなくこれが「一番重要」である--という「理由」の説明に正面から取り組む答案は、残念ながら多くなかった。
そこが評点の高低を左右する最大の分岐点となった。
答案ごとに「理由」の論理的整合性には差があるが、それでも「理由」を自分の言葉で明示する努力を行っているものについては80点以上の評価を与えた。
逆に、自分のあたまをつかっての「理由」の記述を避けた(逃げた)答案については、70点以下の評価とした。
「問い」に対して正面から、自分の力で「答え」を与える努力を、しっかり行ってほしいと思う。
なお、設問に無関係の答案については、0点とした。
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