住友金属による賃金や昇進の女性差別と闘った女性たち4人が,4月25日,大阪高裁で最終的な勝利和解を勝ち取った。
新聞の大きな写真には,2005年10月19日,大学の「ベアテ・プレ企画」で「差別の実態」と「裁判闘争」の意義をあつく語った北川清子さんの笑顔がある。
仕事ができようとできまいと,役員賞や部長賞を受けた年でさえ,女性は女性であるというだけで平均以下の「C評価」。
これでは出世もできず,能力と仕事にふさわしい賃金も得られない。
能力主義を建て前に,その影に性差別をもぐりこませる典型である。
94年北川さん等は,労働省大阪婦人少年室(当時)に調停を申請。しかし,調停案は住金の言い分をそのまま認めるもの。
そこで,95年大阪地裁に提訴する。
10年の闘いをへた05年3月28日,大阪地裁はこの男女格差を「闇の人事制度」によるものとして断罪。住金に差別賃金相当額として6300万円あまりの支払いを命令する。
しかし住金側はこれを控訴。
大学での北川さんのお話は,その控訴を受けての闘いの途中経過と,女性たちにとってのこの闘いの意義を強く訴えるものだった。
06年4月25日,大阪高裁で和解が成立。住金からの支払い額は地裁判決から,さらに1300万円アップの7600万円となった。
井垣敏生裁判長は和解勧告で「企業内に賃金,処遇等での男女格差が適正に是正されたとは言いがたい現実がある」「大企業で意識改革への取り組みがすすむことは社会的にも大きな意義をもつ」と述べている。
和解を受け入れたにもかかわらず,住金側は「差別の実態はいっさいないが,大所高所にたって紛争解決を図ることが望ましいと判断した」とコメント。
往生際の悪さもきわまれり。いったいどこらあたりの「大所高所」か。
北川さん,おめでとうございます。
4人のみなさん,おめでとうございます。
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