「チャベス大統領、胡錦涛主席と会談 原油取引拡大で合意」(朝日新聞」)。
「南米最大の産油国ベネズエラのチャベス大統領は24日、北京で胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席と会談した。…両国はエネルギー、金融など経済の幅広い分野での協力に合意した」。
「チャベス大統領は会談後、『我々は戦略的関係を非常に高いレベルまで引き上げた』などと述べ、ベネズエラから中国への原油輸出が3年以内に3倍以上、10年以内に6倍以上にまで拡大するとの見通しを示した」「米国に次ぐ石油消費大国となった中国と、米国以外への石油輸出の拡大をはかるベネズエラの利益は合致している」。
経済的な過度の対米依存を脱却することは,日本経済にとっても重要な事。しかし,日本財界にはこうした戦略的な対外経済関係構想の能力は乏しいようだ。
「ASEAN、サービス70分野の自由化推進で合意」(日経新聞)。
「東南アジア諸国連合(ASEAN)は23日、クアラルンプールで開いた経済担当相会議で、域内の統合を進める『経済共同体』の実現に向けて、新たに医療や情報通信などサービス70分野で自由化を進めることで合意した。域内の経済統合に向けた動きは、先行するモノの貿易自由化に加え、サービス自由化や非関税障壁撤廃など新たな段階に入った」。
「加盟各国は…2015年までに自国事業者への保護的な扱いや市場アクセスへの制限を順次撤廃する。サービスの自由化は12月にフィリピンで開くASEAN首脳会議で正式に決める」。
「各国はサービス自由化を巡ってこれまで交渉を重ねてきたが、モノと比べ具体化で大きく後れを取ってきた。70分野の自由化が実現すれば、国境を超えてそれぞれのサービスを供給・消費したり、事業者が自国以外に自由に拠点を構えることができる。建設、通信、教育なども対象分野だ」。
急速な自由化が各国経済にどのような影響を与えるかについては,実践の中で評価し,必要な調整をくわえていくということなのだろう。
これもまた「市場の活用」と「市場の破壊力」への各国および共同体としての規制をめぐるひとつの歴史的実験といえるのかも知れない。
「東アジアEPA、基本合意 +3FTAは足踏み」(朝日新聞)。
「東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓(+3)にインド、豪、ニュージーランドを加えた16カ国(ASEAN+6)による初めての非公式経済相会合が24日開かれ、日本が提案した経済連携協定(EPA)構想(東アジアEPA構想)について、学術レベルの研究会を来年中にも発足させることで基本合意した」。
昨年末の東アジアサミットと同じ顔ぶれでの研究会だが,共同の中核を「アセアン+3」にしぼれば,中国色があまりに強くなるという評価だろうか。少なくとも日豪はアメリカの意向を汲んだ東アジアづくりにむけての連携行動がとれるだろう。
「16カ国のうち、日本を含む14カ国が積極的に賛意を示した。一方、韓国は『まず日中韓それぞれとASEANのFTA(自由貿易協定)を妥結させ、その後にASEAN+3の経済統合に進むべきだ』と述べ、中国は『ASEAN+3が東アジア経済統合の主要な道筋であり続ける』などと発言したが、研究会発足自体には強い反対を示さなかった」。
とはいえ,「アセアン+3」での共同推進は,すでに実務具体化の段階にある。その意味では,この記事の見出しは,日本政府への肩入れが過ぎるといっていい。
「これに先立つASEAN+3経済相会合では、ASEANと3カ国によるFTAの利点や問題点について研究を進めてきた専門家グループの報告書が提出された。(1)政府間交渉を来年から始める(2)09年に本交渉を開始し2年で終了する(3)16年ごろまでに3カ国とASEANの先進国が自由化を終え、20年までに域内の自由化を完了する――などが柱だ」。
「ただ、閣僚たちの承認は得られず、報告書の内容を高級事務レベルで協議して再度閣僚会合で検討し直すことになった」。
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