安倍新首相の「所信表明演説」から,経済政策関連部分のメモ。
①【産業】「成長に貢献するイノベーションの創造に向け、医薬、工学、情報技術などの分野ごとに、2025(平成37)年までを視野に入れた、長期の戦略指針『イノベーション25』を取りまとめ、実行します」。
※なぜ,これらの産業なのか。
※対日参入を強めるアメリカ産業からの要望との関係は。
②【労働】「自宅での仕事を可能にするテレワーク人口の倍増を目指すなど、世界最高水準の高速インターネット基盤を戦略的にフル活用し、生産性を大幅に向上させます」。
※それら労働者の権利はどのように守られるのか,守られないのか。
※そもそもその種の労働者の現状への評価は。
③【アジア】「アジアなど海外の成長や活力を日本に取り込むため、お互いに国を開く経済連携協定(EPA)への取組を強化するとともに、世界貿易機関(WTO)新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の再開に尽力します。地方の活性化にも資する海外からの投資を2010年に国内総生産(GDP)比で倍増する計画の早期達成を目指します。アニメや音楽などのコンテンツ(情報の内容)、食文化や伝統文化などについて、国際競争力や世界への情報発信力を強化する「日本文化産業戦略」を策定します。今後5年以内に、主要な国際会議の開催件数を5割以上伸ばし、アジアにおける最大の開催国を目指します。その他、使い勝手も含めた日本の国際空港などの機能強化も早急に進め、ヒト・モノ・カネ・文化・情報の流れにおいて、日本がアジアと世界の架け橋となる『アジア・ゲートウェイ構想』を推進します」。
※アメリカン・グローバリゼーション推進のWTOに固執。
※対内投資のさらなる拡大,金融関連のアメリカ資本中心からの変化は。
※文化産業,空港強化,アジアの盟主宣言(?)
④【格差】「新たな日本が目指すべきは、努力した人が報われ、勝ち組と負け組が固定化せず、働き方、学び方、暮らし方が多様で複線化している社会、すなわちチャンスにあふれ、誰でも再チャレンジが可能な社会です。格差を感じる人がいれば、その人に光を当てるのが政治の役割です。私は、内閣の重要課題として、総合的な『再チャレンジ支援策』を推進します」。
※「感じる」(?),実態は総世帯所得の急速な低下だが,それへの責任は。
⑤【雇用】「新卒一括採用システムの見直しや、パート労働者への社会保険の適用拡大などを進めます。再チャレンジ職場体験制度の創設や団塊世代などベテラン人材の再雇用の促進といった、再び仕事を始めるためのハードルを引き下げる取組も行います。2010年までにフリーターをピーク時の8割に減らすなど、女性や高齢者、ニートやフリーターの積極的な雇用を促進します。再チャレンジする起業家の資金調達を支援するとともに、個人保証に過度に依存しない融資を推進します。こうしたさまざまな再チャレンジを支援する民間や自治体の取組を応援するため、内閣総理大臣による表彰制度を新たに設けます」。
※「再チャレンジ」の言葉はあっても,正規雇用拡大の言葉はない。
⑥【地方】「地方の活力なくして国の活力はありません。やる気のある地方が自由に独自の施策を展開し、『魅力ある地方』に生まれ変わるよう、必要となる体制の整備を含め、地方分権を進めます。知恵と工夫にあふれた地方の実現に向け、支援も行います。地場産品の発掘・ブランド化や、少子化対策への取組、外国企業の誘致などについて、その地方独自のプロジェクトを自ら考え、前向きに取り組む自治体に対し、地方交付税の支援措置を新たに講ずる『頑張る地方応援プログラム』を来年度からスタートさせます」。
※「やる気のある地方」を評価する基準は何か。
※「やる気」がないとみなされた自治体への対応はどうなるのか。
⑦【中小企業】「活力に満ちた日本経済には、全国430万の中小企業の元気が不可欠です。中小企業の知恵とやる気を生かし、地域資源などを活用した新商品・新サービスの開発や販売を促進します」。
※親元企業への指導と国内消費の育成なしに「販売を促進」はどのように可能か。
⑧【農林水産業】「地方を支える農林水産業は、新世紀にふさわしい戦略産業としての可能性を秘めています。日本の農林水産物や食品は国内向けとの固定観念を打破するため、『おいしく、安全な日本産品』の輸出を、2013年までに1兆円規模とすることを目指します。『人生二毛作』の実現に向け、就業を促進する仕組みをつくります」。
※どのような経営形態で? 家族経営への支援はあるのか?
※あるいは,それら産業の大企業化か。
⑨【NPO】「民間非営利団体(NPO)など『公』の担い手を支援し、官と民との新たなパートナーシップを確立します」。
※「官」の何を切り捨てることを前提としているのか。
※どのNPOをどのように支援するのか,その基準は何か。
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