日本経団連が,日米経済交流の自由化をさらに推進しようとしているらしい。
アメリカ市場における利殖の自由拡大が主な目的のように見えるが,さてアメリカ政府はどう対応してくるのだろう。
その一方,経団連の企業調査では,中国市場との関係強化が第一に。
「日米経済連携協定締結を 日本経団連が初の提言」(岩手日報,10月29日)。
「日米両国間で工業製品の関税撤廃や投資自由化を推進するため、日本経団連が両国政府に対して日米経済連携協定(EPA)締結を求める内容の提言をまとめたことが28日、明らかになった。これまで自由化のネックとなってきた日本の農業分野で構造改革への取り組みが始まり、日米経済関係が新たな段階に入ったと判断したためで、経団連が日米EPA締結を促す提言をするのは初めて。
安倍晋三首相は成長重視の経済政策の一環として、EPAや自由貿易協定(FTA)の推進を掲げており、提言は安倍政権の通商政策にも大きな影響を与えそうだ。
経団連は、安倍首相や関係閣僚に提言を提出するとともに、来年1月には御手洗冨士夫会長ら幹部が訪米し、米国の政府要人や有力経済人に働き掛ける。
提言は11月にも発表され、貿易や投資分野のほか、特許などの知的財産権保護制度の統一、米国の州ごとに異なる製品リサイクル関連など環境基準の緩和・一本化、査証(ビザ)の相互免除による人的交流の円滑化など幅広い領域の制度改革、経済交流促進を含むEPA締結を求めている。
戦後拡大した両国の経済関係を、さらに発展させるには「日米EPAが有益」と強調。日米EPAは「包括的で高水準の協定とすべきで、関税撤廃はEPAの核となる」と位置付けた。
ただ、自由化や規制緩和に対して日本国内の反対が強い農業分野や教育、医療、航空などのサービス分野については、生産農家、国内業界への一定の配慮や、米国からの輸入依存度が上昇することなどへの食糧安全保障上の対策を盛り込むことも求めている。
米国に対しては、輸入品に対する反ダンピング(不当廉売)課税の発動制限や海外からの投資を妨げる州規制の撤廃、緩和、州ごとに異なる事業免許や商品認可の統一なども要請した」。
「「経済連携協定、中国最優先に」経団連が企業調査」(日経,10月30日)。
「経済連携協定(EPA)の締結先の優先順位は中国、東南アジア諸国連合(ASEAN)、インド――。日本経団連のアンケート調査で、こんな結果が明らかになった。調査は今夏、経済連携推進委員会の委員を務める189の企業・団体に実施、97社・団体から回答を得た。
EPA締結を優先すべき国・地域を3つまで聞いたところ、トップは中国の62社。「貿易相手国として将来最も重要」「欧米諸国の参入も増え競争が激しくなっている」など市場の重要性を指摘する声が相次いだ」。
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