中小企業融資の制度「改革」があるとのこと。
結果として,中小企業には保証付き融資が受けづらくなる。
国による弱肉強食型の「改革」から,いかにして中小企業の経営を守るか。
県独自の施策が求められる。
「業務委託で開拓強化」兵庫県信用保証協会理事長(神戸新聞,3月26日)
中小企業融資に使われる公的信用保証制度が、十月に大きく変わる。現行では各都道府県などの保証協会が融資全額を保証し、企業が破たんすれば協会が全額の返済を肩代わりしたが、新制度は返済率が80%に縮小される。金融機関が融資に二の足を踏みかねない上、保証料収入減で保証業務への影響も懸念されるが、神田栄治・兵庫県信用保証協会理事長(61)は「業務委託などで収益基盤を盤石にする」と話す。(記事・大久保 斉、写真・田中靖浩)
-制度改正が借り手に与える影響は。
「金融機関が融資額の二割に対し、新たに貸し倒れリスクを負うため、貸し渋りの増加が懸念される。対策として従業員二十人以下の企業には、一定額以内で100%保証を継続する」
-協会への影響は。
「保証元本が減る分、保証料収入減が予想される。一方、返済額の急増に備え中小企業金融公庫に支払う信用保険料は、現行の100%保証の料率が続く模様で、厳しい状況になりそうだ」
「収入増には、新しい借り手の発掘が不可欠。破たん先からの回収は外部の債権回収会社に移管し、人材を新規開拓に充てる。二〇〇八年までに、無担保融資の回収を全面移管する計画だ」
-コスト低減策は。
「顧客の利便性や職員の移動に配慮して、神戸事務所と尼崎支所の担当区域を再編する。神戸からは宝塚、芦屋、西宮、三田の四市を尼崎支所に移す。県内の全事業所で保証付き融資を利用している割合は36%だが、40%台に引き上げたい」
-県内中小企業の情勢をどう見る。
「保証付き融資の借り手のうち少なくとも六分の一は業績が振るわず、返済期間の延長や、返済額の変更などで対応している。製造業は比較的良好だが、公共事業の抑制や個人消費の伸び悩みで建設、卸・小売業が苦しい。業種間格差がある」
【メモ】
中小企業が保証付き融資を受ける場合、金融機関への利子に加え、融資額に応じ信用保証協会に保証料を支払う。借り手が破たんすれば、協会は金融機関に融資を肩代わり返済する一方、借り手からの融資回収にあたる。兵庫県信用保証協会の保証承諾額は4207億6200万円(06年4月-07年2月末の累計)。
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