中国が直面する課題の多様性を示すもの。
なお、アメリカは中国の為替管理のために、IMFを動員するという中国重視ぶりである。
確かに、為替の自由化は、アメリカ金融関連資本にとっての最重要課題ではあるのだろう。
中国、児童労働で全国調査 批判懸念、メディア規制も(東京新聞、6月21日)
【北京21日共同】中国の温家宝首相は21日までに、国務院(政府)常務会議を開き、山西省のれんが焼き窯での大規模な強制労働事件を受け、違法な児童労働が行われていないか全国規模での徹底調査を指示。一方、当局は国外からの批判が強まることを懸念してメディア規制も始めた。
重要政策を討議する常務会議が今回の事件を取り上げたことは政府が事態を極めて重く受け止めていることを示す。会議では、山西省の于幼軍・省長が自己批判を含めた現場報告も行った。
中国の児童労働については、外国の人権団体などが度々指摘してきたが、中国政府は「児童労働は認めていない」と反発。2002年にはこうした指摘を背景に「児童労働禁止規定」を施行したが、結局、効果がなかったことになる。
中国のCO2排出、米抜き最大に・06年推計(日経新聞、6月21日)
オランダの政府系環境機関MNPは19日、中国が2006年に米国を抜いて世界最大の二酸化炭素(CO2)排出国になったとの推計を発表した。中国は62億トンで米国の58億トンを約8%上回ったとしている。
同機関は石油メジャーの英BPによるエネルギー統計や米地質調査所のセメント生産統計などを基にCO2排出量を計算した。中国のCO2排出量が米国を上回るにはあと数年かかるとの予測が多かった。中国が地球温暖化対策で果たす役割を巡り改めて論争を呼びそうだ。
中国では急速な経済発展に伴い石炭火力発電などが広がったため、温暖化ガスの排出量も増大。同機関は推計に航空機の運航時の排出量や森林伐採の影響などを含んでいないが、これらを加えても「中国が最大国であることは変わらない」とみている。(ロンドン=岐部秀光)
中国は世界経済成長に寄与、改革を促進させる必要=米財務長官(朝日新聞、6月21日)
[ワシントン 20日 ロイター] ポールソン米財務長官は20日、下院金融委員会で証言し、先の「主要貿易相手国の為替政策に関する報告書(為替政策報告書)」で中国を為替操作国と認定しなかったのは、中国政府の人民元改革への取り組みを評価したためと説明した。
中国は、ここ数十年で最も堅調な世界経済成長に寄与しているが、人民元改革や経済開放という責務を果たす必要があると述べた。
ポールソン長官は「われわれは、人民元が過小評価されており、経済実態を反映していない、と判断した」と発言した。
ただ財務省が13日に発表した「為替報告」では、中国を為替操作国と認定するためには中国当局が意図的に通商条件を有利にしようとしている証拠が必要だとして認定を見送った。
長官は、中国には人民元改革を実行する姿勢があり、すでに人民元相場を上昇させていると信じていると証言。「中国は明確な政策を持っており、動いている」と述べながら、その改革のスピードは遅すぎるとの見解をあらためて示した。
米議員の間では、人民元問題に対する苛立ちが強まっており、上院では、一部の議員から人民元上昇を促すことを目的にした法案が提出されている。
ドン・マンズーロ議員(共和党、イリノイ州)は、中国を為替操作国と認定するために「あとどれくらいの証拠が必要なのか」と質問。
ポールソン長官は、中国を為替操作国と認定すれば、国際通貨基金(IMF)の監視の下で長期にわたって中国と協議することになるが、そうしたプロセスは米中で行っている戦略経済対話でカバーできる、との認識を示した。
国際通貨基金(IMF)が30年ぶりに加盟国の為替政策を監視するガイドラインを改定したことについては「(IMFが)異なる方法で為替監視プロセスを進めることが可能となる」と述べ、米国の人民元問題解決に向けた取り組みを支援するものとの認識を示した。
長官は、為替政策監視がIMFの「最も基本的な責務」とし、IMFのスタッフは日々その責務を厳格に実行しなければならない、とも述べた。
<外国人の米国債売却を懸念せず>
ポールソン長官は、外国人投資家が保有している米国債の規模や、中国などが米国債の保有を減らすリスクを懸念する必要はないとの認識を示し「中国、日本、中東などの米国債保有について不安は感じていない。わが国とって良いことで、異常なことではない」と述べた。
中国は4000億ドルを超える米国債を保有している。
長官は、米国が世界中から集まる資金を活用し、外国からの投資に門戸を開いておくこと重要と述べた。
冒頭の証言では、欧州や日本の成長加速により、世界経済はより均衡がとれ安定化したとの見方を示す一方、欧州と日本は共に、一段の構造改革や持続可能でよりペースの速い国内・域内成長が必要と指摘した。
IMF、存在感増すには為替政策の監視重要=米財務長官(朝日新聞、6月21日)
[ワシントン 20日 ロイター] ポールソン米財務長官は20日、国際通貨基金(IMF)がより意義のある存在となるためには、特に中国に対して、為替政策の監視に関する新規則を積極的に追求する必要がある、との認識を示した。
長官は下院金融サービス委員会での証言を終えた後、記者団に「改革は重要だが、より意義のある存在となるかどうかはIMFの取り組み次第だ」と語った。
長官はこれまで、IMFの為替監視規則の改定により、中国に人民元相場の柔軟性拡大を求める働きかけが容易になるとの考えを示していた。
長官は、IMFの為替監視規則の改定について「改革に必要な柔軟性を持っていることは明らかだが、問題はIMFが果たす役割は何かということだ」とし、「多くの分野でIMFが果たす役割は興味深くポジティブだが、(取り組み次第で)より意義のある存在になれる」と述べた。
その上で、IMFは、戦後の為替相場監視の目的で1944年のブレトンウッズ協定に基づき創設されたことにみられるように、為替相場の監視というルーツに戻るべきだ、と指摘。
「現在、市場原理に基づいていない通貨は多くあるが、財・サービスの貿易という点で巨大かつ世界経済に組み込まれる国の通貨は唯一で、その国とは中国だ」と述べた。
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