いろいろいっても「自公連立」路線に変化はないらしい。
他方、自公の選挙協力が、自民の衰退によって「協力」にならなくなってきているとの指摘がある。
身内から見ても、自民の支持基盤の崩壊は急速だということである。
そういう党との連立をつづける公明党は、自身の未来をどう展望しているのだろう。
公明、「直言路線」に転換 参院選総括(朝日新聞、8月23日)
公明党は22日、惨敗した参院選を総括する全国県代表協議会を開いた。自公連立体制の維持を確認する一方で、「くらしに直結した政策」を優先するよう安倍首相に求めることで一致。自公の選挙協力の見直しにも着手する。党内や創価学会に政権への不満がくすぶっているため「直言路線」に転換する構えだ。ただ、不協和音が大きくなりすぎると民主党につけいられかねず、太田執行部は難しいかじ取りを迫られる。
■生活者重視の政策実現に力を
「閣僚の不祥事、失言。そうした危機への対処も悪かった。有権者は民主党に投票することで政権の危機管理能力に怒りと不満の意思を示した」「国会運営では、国民に与党の採決強行の連続と映った。公明党も自民党と一体と見られた」
太田代表は全国県代表協議会の冒頭のあいさつで、国会議員や都道府県本部の幹部ら200人に頭を下げた。
太田氏は、参院選について「小泉改革から派生した地域格差や負担増といった『影の部分』への不満や怒りが広がった」と分析。「安倍政権は、生活者重視の政策の実現にこれまで以上に力を注ぐ必要がある。政府や自民党に対して、より強く、よりはっきり意見を申し上げてまいりたい」と強調した。
それでも党内には不満が強く、その後の質疑では「『言うべきは言う』では弱い。『やるべきをやらせる』ことが必要ではないか」(赤松正雄衆院議員)との注文も飛び出した。
一方で、太田執行部は「次の戦いは自公の枠組みで戦っていく」(北側一雄幹事長)と連立を維持する方針も確認した。党内には「自民党に文句を言いすぎて、亀裂が生じるのはまずい」との不安も根強い。
ただし、参院で第1党となった民主党が公明党を揺さぶってくるのは間違いない。福祉、平和、人権……。民主党が参院で「子ども手当法案」といった、公明党が本音では賛成の法案を提出すれば、公明党は対応に苦慮することになる。党幹部は「その場合、本当に悩むことになる」と語る。
■選挙協力のあり方 自民と協議
参院選では、比例票が野党時代と同じ水準まで落ち込んだ。選挙区で自民党候補に協力する代わりに比例区で公明党に投票してもらう、という自公選挙協力のもろさが露呈した格好だ。
ある公明党参院議員は「選挙区の自民党候補は自分の中核の支持者を公明党に回してくれることが多い。だが、今回はあまりの逆風にその中核支持者も危機感を覚え、比例区では自民党に投票したのではないか」と分析する。創価学会内には「こちらは自民党を必死で応援したのに、政権の失態で見返りはゼロだった」(地方幹部)との不満が強まっている。
こうした状況を受け、太田氏は県代表協議会で「選挙協力の効果が十分だったとは言えない」と述べ、協力のあり方について自民党と協議する方針を明言。年内に全国会議員と全地方議員がそれぞれ1000軒の支持者を訪問する活動方針も決めた。
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