自民党新総裁は福田康夫氏に決定した。
当然のことながらアメリカからの受けはいい。
「日本の近隣外交に柔軟性が出れば米国にも……良い」。
ここにアメリカの本音があらわれている。
米国、「現実主義者」と福田新総裁を評価(朝日新聞、9月23日)
米国とのパイプを持ち、中国など近隣諸国にも配慮を示す福田氏の登場を、米政府や知日派の関係者は基本的に歓迎、アジア外交の進展に期待感が出ている。ただ、日本政治の不安定化も予測されており、将来的な不透明感への懸念はぬぐえない。
米政府関係者は自民党総裁選の結果に祝意を表し、「彼の政権と一緒に働くことを楽しみにしている」とコメントした。福田氏はブッシュ大統領や父親の元大統領と関係が良く、べーカー前駐日大使とも親しい。「日米蜜月」を演出した小泉前首相や、米国流の戦略を掲げた安倍首相の派手さはないが、手堅い印象が期待につながっている。
グリーン前米国家安全保障会議(NSC)上級アジア部長は福田氏を「現実主義者だ。日米同盟の重要性を理解している」と評価。「北朝鮮や中国に対し、より実際的な対応をするのではないか」と期待する。
上院外交委員会のスタッフは、福田氏が靖国神社の参拝や従軍慰安婦問題など、近隣諸国を刺激する問題と結びついていない、と指摘。「日本の近隣外交に柔軟性が出れば米国にも日本にも良いことだ」と見る。
一方で同スタッフは、少子高齢化や年金など国内問題が山積する日本では「次の政権で日米同盟の基礎を発展させることは、誰が首相でも難しい」とも語った。
カルダー米ライシャワー東アジア研究所長は「イタリアのように、(日本政治は)政権がくるくる変わった90年代の構図に戻るのではないか」と指摘。テロ特措法の延長問題でも、野党などの反対論に懸念を示した。日本にとってシーレーンの確保は極めて重要であり、「(インド洋上で活動する)テロ特措法への反対は戦略的な現実を反映していない」と言う。福田氏が新首相になった後、当面の外交課題となるこの問題への対応が注目されている。
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