オーストラリアの「慰安婦」決議は、34対35での否決となった。
そのかわりに採択された「日本の取り組みを評価」するとされる決議だが、そちらにも「慰安婦」問題を「おぞましい出来事」とする表記があり、さらに「河野談話」を評価する記述があるとのこと(別情報)。
「河野談話」からの後退を認めないとする点で、こちらにもアメリカ政府・下院の姿勢に通じるものがあるということである。
日豪政府の安全保障をめぐる政治的接近のなかでの決議であるから、安倍内閣がつくりだした歴史認識をめぐる日本の孤立がどれほど深刻なものであったが良くわかる。
豪州上院、慰安婦謝罪決議を否決(産経新聞、9月25日)
オーストラリアの上院で、慰安婦問題について日本に公式謝罪を求める決議案が否決される一方、同問題などで日本政府の取り組みを評価する決議案が採択された。7月末に対日非難決議を採択した米国下院とは対照的な結果となった。
豪上院本会議で19日に採決された決議案は最大野党、労働党の議員が提出したもので、日本の国会での謝罪決議の採択や、元慰安婦への公正な補償、学校で慰安婦の歴史を正確に教えることなどを日本政府に促す内容となっていた。
ただ、上院は与党の保守連合(自由党、国民党)が過半数を占めており、労働党案は賛成34、反対35で否決された。
これに対し、20日に賛成多数で採択された、自由党提出の決議案は「“慰安婦”は日本の歴史におけるおぞましい出来事だ」とする一方、慰安婦問題での日本の取り組みを評価。被害者たちとの対話継続を促す内容となっている。(シンガポール 藤本欣也)
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