兵庫県による企業誘致の努力はあいかわらずの勢いである。
だが、問題は、それが県民の生活にどのようなメリットを生むのかということ。
そこの説明がなく、しかも天井知らずの補助金(税金投入)付きの誘致であれば、誰のための県政かが問われて当然ということになる。
関西の活力増へ企業誘致開始 尼崎沖の事業用地(神戸新聞、10月10日)
兵庫県と尼崎市は、二〇一一年度に尼崎市沖での埋め立て工事が終わる「フェニックス事業用地」への企業誘致活動を十月中に始める。同市内の製造業に移転希望を調査し、県外企業にも進出を働きかける。尼崎臨海部は、松下電器産業のプラズマディスプレーパネル(PDP)工場の進出以来、注目を集めており、県は「関西全体の活力増になるような企業を呼びたい」としている。(小林由佳)
フェニックス用地は松下PDP工場と海を挟んで南に位置する。総面積百十三ヘクタールのうち四三・八ヘクタールが工業用地。工業用地外では県が物流ターミナルや公園を造る。
十月中に実施予定のアンケートは、最近の景気回復など経済情勢の変化を受けて、あらためて企業の需要を洗い直すために実施。工場移転の意向の有無や、移転する場合にどのような行政支援を望むか-などを聞く。周辺地域で土地を探す県外企業にも、進出計画などを詳細に聞き取る。
県はアンケート結果などを基に、尼崎市と協議しながら〇八年度中に土地利用の素案をまとめる方針。県港湾課は「市内からの工場移転を促しつつ、地元に雇用をもたらす製造業を誘致する。臨海工業地帯の新たな『看板』にしたい」としている。
フェニックス用地は近畿二府四県のごみを埋め立てる「大阪湾フェニックス計画」に基づく埋め立て地で、尼崎沖では一九八七年に着工した。
県内の工場立地取得 全国2位 07年上期(神戸新聞、10月10日)
企業が工場を新・増設するために兵庫県内で取得した土地(一千平方メートル以上)が、二〇〇七年上期(一-六月)で五十一件となり、全都道府県で静岡県の五十八件に次ぐ二位となったことが九日、兵庫県のまとめで分かった。前年同期は五十七件で全国一位だった。
内訳は、新設が三十二件、増設十九件。全体の60%に当たる三十一件が産業団地への立地だった。面積は前年同期比30%減の四七・二ヘクタール。業種別では、金属製品製造が十件と最も多く、非鉄金属製品製造七件、一般機械器具製造六件などが続いた。
地域では、東播磨の十九件が最多。神戸・阪神十七件、西播磨十一件だった。県企業立地課は「人気の高い阪神臨海地域で工場用地が少なくなっているのも件数減の要因。ただ、七月以降の工場立地は前年並みかそれ以上のペースで進んでいる」としている。(小林由佳)
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