教育再生会議が再開された。
問題は、これが安倍内閣時と同じく文部科学行政の「乗っ取り」をはかるものなのか、あるいはやはり靖国色を脱色し、財界からの教育改革要求に応える組織に純化されるのか、そこの分かれ目となるわけである。
教育再生会議が福田政権で初会合、「小・中9年制」検討で一致(日経新聞、10月23日)
教育再生会議(野依良治座長)は23日、首相官邸で福田政権発足後初めての総会を開き、論議を再開した。柔軟な教育カリキュラムを編成できるようにするため、現行の小中学校の「6.3」制を見直し、9年制の義務教育学校の創設などを検討することで一致した。
教育再生は安倍晋三前首相が憲法改正などと並んで掲げた重要政策の一つ。安倍氏の辞任で論議が中断していたが、福田首相は冒頭「注目を集める会議と認識している。国民全員が関心を持っている話題であり、建設的な議論をしていただきたい」と求めた。
学校制度の見直しは小中一貫の9年制学校をつくり、地域の実情に応じて「4.3.2」などの学年のまとまりを設ける案を軸に検討する方向。大学への飛び級入学を促進するため一段の要件緩和を進める必要があるとの意見も相次いだ。一方、年末を予定していた三次報告のとりまとめ時期を巡っては「もっと時間をかけるべきだ」との異論も出た。
福田首相、独自の具体案語らず 教育再生会議(朝日新聞、10月23日)
福田内閣で初めてとなる教育再生会議の総会が23日、首相官邸で開かれた。安倍前首相の辞任で、同会議が開かれるのは約1カ月ぶり。12月に予定されていた最終報告は1月にずれ込むことになった。会議に出席した福田首相は、安倍前首相時代の方針を基本的に引き継ぐ考えを示した。
「所信表明演説で、フルにご提言を入れております。みなさま方は常識的な議論をなさっているし、それが世間にアピールしている」。福田首相は総会冒頭のあいさつで、こう語った。
この日の総会では、会議の目標として、首相の掲げる「自立と共生」を新たに打ち出した。池田守男座長代理は会議後の会見で「総理の考えは、私どもとそれほど遠くない。私どもとして非常に意を強くした」と述べた。
会議では、6―3―3―4制の見直しのほか、飛び級と留年制度について議論。池田氏によると、飛び級や留年は義務教育での導入は難しいとの意見で、ほぼ一致したという。
さらに中央教育審議会(文科相の諮問機関)で実現が困難な見通しとなった「徳育」の教科化についても再び議論し、委員の一部が最終報告に盛り込むよう強く求めた。
今後は週1回のペースで合同分科会を開く予定。次回は、6月にまとめた第2次報告で残された課題のうち、バウチャー制度と全国学力テストの検証と活用方法を取り上げる。
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