兵庫県が「年長フリーター」の支援を開始するという。
ただし、25歳以上フリーター約4万人に対して、予算額はわずかに480万円。
そもそも県は、2007年11月の「新行革プラン(素案)」の中で、就労支援の「キャリアアップ・プログラム」を見直して、10年で39億8800万円を浮かすとしていた。
その一方で、不安定雇用者ばかりを採用していく誘致企業への補助金は、天上知らずのままである。
その根本姿勢を不問に付したままであれば、県政への広がる批判のごまかしを狙ったとされても仕方があるまい。
年長フリーターの就職支援 兵庫県が訓練や企業説明会(神戸新聞、3月14日)
兵庫県は二〇〇八年度から、三十歳以上の「年長フリーター」の就労支援に乗り出す。景気回復が新卒採用の増加や若いフリーターの正社員化につながっているが、年長フリーターへの恩恵は薄く、格差の固定化が懸念されている。このため、フリーター向けに職業能力の開発プログラムを作って訓練をするのをはじめ、企業説明会を開くなどして早期の就職を後押しする。
県内のフリーター(十五-三十四歳)の実数は不明だが、国勢調査を基に推計すると〇五年で約八万二千人おり、このうち半数近い約四万人が二十五歳以上という。
県は、正社員としての就職が特に難しい三十-三十五歳のフリーターを支援対象にする。労使の代表や学識者らでつくる協議会が、能力開発プログラムを作成し、十月ごろから公共訓練施設で訓練を始める。
フリーター経験をマイナス評価する企業が多いことから、商工会議所などの協力を得て企業の啓発にも取り組む。また、国の公共職業安定所「ハローワーク」と連携して〇八年度内に四回の企業説明会を開き、人材不足に悩む中小企業とフリーターを橋渡しする。予算額は計約四百八十万円。
担当する県しごと支援課と能力開発課は「就職氷河期に卒業し、やむを得ずフリーターを選んだ人たちの将来展望が開けるように、できる限り具体的な支援をしたい」としている。
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