原油取り引きの決済通貨がドル離れを起こしている。
イランはすでにこれを進行させていたわけだが、今回、それを全面的に停止したという。
ドルの基軸通貨として地位低下は、もはや逆転のない流れといっていいのだろう。
イラン、原油取引での米ドル決済を完全停止と 石油省(CNN JAPAN、4月30日)
テヘラン――イランの石油省当局者は30日、原油取引での米ドル決済を全面的に停止したことを明らかにした。イランは過去1年、核開発問題やイラクへ武装勢力の干渉で厳しく対立する米国の経済制裁などを受け、リスク削減でドルへの依存を減らす方針を示していた。
国際石油市場では米ドルが基軸通貨となっているが、ドル安などを受け、原油産出国が不満を募らせている背景もある。石油省当局者は国営テレビとの会見で「原油取引でのドル決裁はすべて中止した」と指摘、輸出国の了解も得たとしている。
今後の取引は欧州では欧州連合(EU)のユーロ、アジアでは円で実施するとしている。
イランは、石油輸出国機構(OPEC)で2位の産出国。同国はOPEC関連会合で、原油取引でのバスケット方式通貨を提案してきたが、支持は得られなかった経緯がある。
イラン中央銀行も米国の経済制裁をにらみ、外貨準備高をドル以外の通貨に移行する動きを強めている。
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