新潟大学教育学部教授会声明
教授会自治を奪う学校教育法の改訂に反対します
2014年4月15日、政府は「学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案」を閣議決定しました。しかし、この法案は1947年に制定された学校教育法の教授会に関する規定(第93条)について、教授会の審議すべき事項を、「教育研究に関する重要な事項で、学長が教授会の意見を聴くことが必要であると認めるもの」とし、教授会は「審議」することができるものの、学長や学部長等が求めた場合にのみ意見を述べることができる、とするものです。
憲法23条に保障された『学問の自由』の具体的あり方が『大学の自治』です。このことから現行の学校教育法では、大学の基本的組織を学部とし、大学に重要な事項を審議する教授会をおかねばならないとしています。このことが教授会の自治として、学部の基本理念の決定や教員人事、学部長人事を行ってきた根拠です。
昨年10月の教育学部教授会で、「ミッション再定義」に関わる大学側の意向と教育学部の意向とが大きく異なった時、下條前学長が3つの約束※をせざるを得なかったことも教育学部教授会の自治があったからのことです。
政府が国会で成立を目指す学校教育法と国立大学法人法の改定は、この大学の学問の自由と自治、教授会自治を奪い、政府や文部科学省の意向を反映する「学長のリーダーシップとガバナンス強化」を進め「学長とビジョンを共有する学部長指名」「教授会の審議事項の限定」などの重大な事態を招き、大学の理念を根底から覆すに等しいものです。
学問への情熱と大学自治の理念を共有しているからこそ我々大学人は、日々の研究や教育、社会貢献に専心することができます。今回の法案改定の動きは、大学人の情熱や理念、長年培ってきた大学の知的財産を奪い去ろうとするものであり、我々は強く反対します。
2014年5月15日
第77回新潟大学教育学部教授会
コメント