テキスト154~170ページを読んでいく。19世紀の素材産業、20世紀の自動車・電機機械産業、21世紀のIT関連産業と、資本主義内の産業構造は変化し、IT産業にあっては巨大な資金需要が不要になるという新しい現象が生まれている。
産業革命による資本主義確立の後、1873年以後の「大不況」のもとで産業の巨大化が進み、20世紀初頭には産業と銀行の結合にもとづく「金融資本」が生まれた、さらにより多くの資金を集めるために株式会社が巨大化する。
同じ過程が日本では、明治維新をきっかけとした天皇制政府による上からの重工業化、1920年代の主な産業における独占段階への以降、戦争での工業の破壊、戦後アメリカの東アジア政策に組み込まれた形での復興、65年からの安定した貿易黒字、68年には世界第二の経済大国へ、73年を限りとしての高度成長の終焉へとつづく。
70年代半ばには消費に対する相対的な生産過剰が明らかとなり、75年頃から国債の大量発行による政府消費の生産が拡大する。銀行は資金の貸し手を失う。80年代以後、製造業向けの貸し出し額に大きな変化はない。その一方、急増したのが不動産・建設業への貸し出しであり、これが銀行の健全性を失わせていく。今日のカジノ経済促進の土台ともなった。
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