「ASEAN統合、新段階・非関税障壁も撤廃へ」(日経新聞)。
2015年経済共同体完成をめざすASEANの動き。
「東アジア共同体構想の先導役」との評価である。
「東南アジア諸国連合(ASEAN)の経済統合が域内の自由貿易協定(FTA)による関税引き下げから、より広範な第2段階に入った。各国は製品の共通認証制度拡充や、査証(ビザ)の一部免除で合意。コメや天然ゴムなど農産物の生産・販売で『産業連盟』を組む動きや、証券取引所間の提携強化など金融面の協力も活発になっている。人口5億5000万人の広域単一市場の実現へ向けて前進し、現地の日本企業も事業を展開しやすくなりそうだ」。
「シンガポール、タイなどASEAN10カ国は8月下旬、域内の貿易や投資を自由化する『ASEAN経済共同体』を5年前倒しして2015年に創設することを決定。日中韓を含む東アジア共同体構想の先導役となる見通しだ」。
他方,中国はASEANとの連携を深め,さらにアフリカとの首脳会議も開くという。
「ASEANと首脳会議へ 中国 アフリカ諸国とも」(しんぶん赤旗」)。
「中国外務省は五日、十月末から十一月初旬にかけて、中国が東南アジア諸国連合(ASEAN)とアフリカ諸国との間で、それぞれ首脳会議を開くと発表しました」。
「ASEANとの首脳会議は中国・ASEANの対話関係の樹立十五周年を記念して十月三十日に広西チワン族自治区の南寧で開催され、温家宝首相が出席します」。「中国とASEAN十カ国との首脳会議は、初の中国国内での開催となります」。
「『中国・アフリカ協力フォーラム』の初の首脳会議および第三回閣僚会議については、十一月三日から五日まで北京で開催されることが明らかになりました。首脳会議のテーマは『友好、平和、協力、発展』で、中国とアフリカの『新型パートナーシップ』のあり方を探究します」。
「中国は今年一月、『対アフリカ政策文書』を発表し、アフリカ重視の方針を改めて明らかにしました。その後、四月に胡錦濤主席がモロッコ、ナイジェリア、ケニアを訪問。六月には温家宝首相がアフリカ七カ国(エジプト、ガーナ、コンゴ共和国、アンゴラ、南アフリカ、タンザニア、ウガンダ)を訪れるなど、対アフリカ外交が活発化しています」。
もう1つ,注目されるのはEUと東アジアの経済連携。
「EU、インドとFTA交渉・ASEAN・韓国とは来年締結」(日経新聞)。
「欧州連合(EU)はインドとの間で自由貿易協定(FTA)交渉を進める方針を明らかにした。東南アジア諸国連合(ASEAN)や韓国とも来年中の締結を目指す。世界貿易機関(WTO)交渉の再開のメドが立たないため、EUは相手国ごとにFTAを加速する姿勢に転換。貿易が急速に拡大するアジアで攻勢をかけ、日米に対抗する」。
「EUは10月にフィンランドで開催するインドとの首脳会議でFTA交渉に向けた具体的な調整を進める。そのうえで欧州委員会が加盟国にFTAの交渉権限を求め、来年初めから交渉に入る方針だ。EUはサービス分野などの市場開拓を見込み、インドは農産物や繊維製品などの輸出拡大を期待できる」。
こうして見ると,日本の外交音痴が良くわかる。
この国の経済外交戦略の不在(あるいは逆行)に,財界がいまだ有効な打つ手をもたずにいるのはなぜなのか。そこの政治の仕組みを知りたいものだ。
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