薄氷を踏む思いとはいえ、自民党が兵庫県議会の正副議長を確保した。
対抗馬は「民主党・県民連合」だが、さて、実際の議会運営では、このような対立はあるのだろうか。
自民、県会正副議長を確保 参院選、議会運営に影響か(神戸新聞、6月16日)
県会で過半数を割った自民党議員団(四十五人)は十五日、本会議で実施された正副議長選で、議長に山口信行氏=旧龍野市選挙区、副議長に小林喜文氏=豊岡市選挙区=の当選を実現し、両ポストを確保した。とりわけ焦点になっていた副議長選は、「民主党・県民連合」(二十一人)をわずか二票差で抑える薄氷の勝利だった。与党会派が、自民対民主・公明の構図で激突したことで、今後の議会運営や参院選への影響を指摘する声も出ている。(小山 優、畑野士朗)
「重大な決意で臨む」。本会議開会直前に開かれた自民の総会で、加茂忍幹事長は正副議長が確保できなければ退陣することを示唆し、会派内の結束を呼びかけた。無所属議員二人から協力を取り付けていたが、一人の造反も許容できない状況だったからだ。
また、「公明党・県民会議」(十三人)は、板挟みになっていた。「正副とも自民独占はおかしい」との民主の言い分も理解できるが、中央では自民と連立与党を組む。参院選も近い。決定は、この日までずれ込んだ。
公明は総会で「議長は第一会派から、副議長は第二会派から」という方針を確認。民主に対し副議長選で協力する一方、議長選辞退を求め、自民への配慮をみせた。
従来、自前候補にこだわっていた共産(五人)は今回、初めて民主候補に同調。「県民クラブ」「みどりの風」(ともに二人)は民主につく公算が大きかった。このため、無所属議員(四人)の控室には朝から自民、民主の執行部が相次いで訪れ、協力を要請した。
自民、民主とも「本会議場に入っても(結果に)確信はもてなかった」という情勢だった。
自民の県議は「これほど緊張した選出はなかった。過半数割れのままでは、今後も少数の無所属がキャスチングボートを握るかもしれない。公明に対しても、感情的なしこりがないといえばうそになる」と明かした。
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