参議院選挙での最大関心事を「年金」としたうえで、選挙区4人の陣営の見解をまとめたもの。
最大の関心は年金、本格論争を 兵庫・参院選(神戸新聞、6月13日)
社会保険庁の年金記録不備問題を機に、今夏の参院選では、年金問題が前回に続き最大の争点になりそうだ。「これまでの政策の失敗はひどい。十分に論争してほしい」「与野党ともに責任がある」。有権者の見方はさまざまだが、関心は一様に高い。兵庫選挙区の各陣営は風向きを見極めながら、攻守の力の入れ所を探っている。
宝塚市の嘱託社員の男性(70)は、七十歳で厚生年金の受給額が増えるはずなのに変わっていないことに気付き、社会保険事務所を訪れた。
「年金は国民の最大の関心事。しっかり議論してほしい」と注文。「自民党の対応は生ぬるい。不始末の責任の所在が明確でなく、はっきりさせようともしていない」
神戸市西区の無職女性(79)は厚生年金、国民年金の切り替えが多く、満額支給されているか不安を抱える。「国会議員全体の責任」としながら「自分の年金がどうなっているか分からず、“お国任せ”だった。もっと自覚を持たないといけない。選挙も自分の目で政策を見比べて選びたい」ときっぱり。
「腹が立つのを通り越してあきれ果てる」とは同区の男性会社員(45)。「にわか仕立ての年金特例法案を十分に審議せず通したり、責任をなすり付け合ったり…。今後のてん末をじっくり拝見し、投票にしっかり反映させていただきます」
兵庫選挙区での立候補を表明している四氏のうち、自民現職鴻池祥肇氏の陣営は「政争の具にすると国民の不安をあおる」と争点化に慎重。政治家の未納などで年金が争点となった三年前の参院選で苦戦を強いられた経験から、県連幹部は「逆風は前回よりも強い」と警戒する。
民主現職の辻泰弘氏の陣営は「民主の年金改革を訴え、自民との違いを際立たせたい」と強調。「憲法が争点だと労組内に微妙な温度差があるが、年金なら一枚岩で自公を攻め続けられる」(連合兵庫幹部)と本音も。
新人の堀内照文氏を擁立する共産党県委員会の松田隆彦書記長は「国の責任できちんと調べるという姿勢に欠け、安倍政権の無責任さが現れている」と意気込む。
改憲阻止を目指す「9条ネット」公認の新人原和美氏の陣営は「憲法九条を守って、米軍再編などに充てられる巨額な金を削り、社会保障制度充実を訴える」という。
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