歴史的に見れば、日米安保条約が、日本のアメリカに対する従属を合法化したものであることは明らか。
今日にいたるも、日米同盟は、日米の対等・平等な関係に立脚するものでない。
安倍政権がおしすすめる日米の軍事一体化は、同時にいつでも従属的な一体化。
この沖縄の事件もまた、それが国民の生活をどのような危険にさらすものであるかを示す事例といえる。
基地撤去、安保廃棄が根本的な解決策だが、それ以前にも、政府が米軍から国民を守る姿勢をもつことは可能である。
それには、そのような意志をもった政府をつくる知恵を、主権者がもつことが必要になるが。
うるま議会 抗議検討/装甲車侵入 米軍「方向誤った」(沖縄タイムス、7月21日)
【うるま】米軍の装甲車が市田場の県立沖縄高等養護学校(塩浜康男校長、生徒数百二十四人)に無断で侵入した問題で、那覇防衛施設局職員、うるま市の知念恒男市長と市議会の基地対策特別委員会のメンバーらが二十日午後、次々と同校を訪れ、塩浜校長の説明を受けながら、侵入現場の確認や監視カメラのビデオ映像を確認した。
基地対策特別委員会は二十三日にも委員会を開き、抗議決議案の文面を検討することにしている。施設局側は「ご心配をおかけしても申し訳ありません。今後こういうことのないよう申し入れたい」と謝罪した。
一方で米軍は施設局を通じ「海兵隊所属の軽装甲車がキャンプ・シュワブへ向かう途中、一台が方向を誤り、養護学校に侵入した。校内で方向転換して車列に戻った」と回答したものの、どの部隊が、どこからどこに向かっていたのかという問い合わせについては「運用上の理由」という説明で回答を拒否したという。
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部活中 立ちすくむ生徒/校長説明 再発防止訴え
【うるま】米軍の装甲車が侵入した県立沖縄高等養護学校は二十日、マスコミや関係者への対応に追われた。同日、終業式が行われた校内では、夏休みを前にした生徒たちの笑顔とは裏腹に、塩浜康男校長や教諭らが深刻な表情で次々と訪問する那覇防衛施設局職員や知念恒男うるま市長、保護者に対する説明の対応に当たった。
「部活中に装甲車を目の当たりにして、立ちすくんだ生徒もいた」
施設局側への説明で塩浜校長はこう話し、再発防止を訴えた。同局職員は神妙な顔つきで「申し訳ありません」と謝罪した。
市議会基地対策特別委員会(東浜光雄委員長)のメンバー四人をはじめ知念市長と島袋俊夫議長も同問題の経緯について塩浜校長から説明を受けた。
東浜委員長は「ビデオを見る限り、一歩間違えば養護学校の子どもたちの命にかかわる問題だ。勝手に校内に侵入し恐怖を与えた米軍の行為は、人権を無視したものと言わざるを得ない」と厳しく批判した。
知念市長は「ビデオを見て怒りを感じ、施設局から聞いた米軍の説明も納得がいかない。由々しき問題だ」と強調。「市民や県民に大きな不安を与えた米軍の責任は大きい。運用上の問題という言い回しですべて米軍の都合のいいように片付けられては困る。施設局からもっと詳細な情報を得た上で、具体的な抗議の方法を考えたい」と述べた。
また終業式後に開かれたPTA評議委員会では、塩浜校長が約二十人の父母に同問題の経緯を説明。保護者からは「子どもたちに何かあったらと考えると怖い」「許せない行為だ」などの不安の声が挙がった。
永山盛正PTA会長は「びっくりしたとしか言いようがない。子どもたちのことを考えると許せない行為だ」と話した。
一方、同問題について、防衛施設庁の渡部厚施設部長は同日の定例会見で、日米地位協定第五条二項で定める「基地間の移動」に該当しないとの認識を示した上で、事実関係に照らして地位協定上の問題を整理する考えを示している。
同問題で沖縄平和運動センターと中部地区労は二十四日午後零時十五分から北中城村石平の在沖米軍司令部ゲート前で緊急抗議集会を開く。また社民党県連(照屋寛徳委員長)、護憲ネットワーク県議団(新川秀清団長)は二十日、県教育庁を訪ね、米軍と日本政府に対し、強く抗議するよう要請した。
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