急成長する経済を管理する手腕については、資本主義大国からも高い評価のある中国政府だが、インフレ率は依然、コントロール可能な範囲と見られている。
他方、貿易黒字は、06年から07年にかけて、1.5倍を超える拡大となる見込み。
やはり外資による輸出が半分以上を占めるのだろうか。
他方、貿易の均衡回復に向けた策が、消費財輸入の拡大とされる点も面白い。国民の消費能力の向上、生活水準の向上が、それには不可欠だからである。
07年の中国貿易黒字、2750億ドルに拡大も=国家情報センター(朝日新聞、8月16日)
[北京 16日 ロイター] 中国国家発展改革委員会(NDRC)傘下のシンクタンクである国家情報センターは、2007年の中国貿易黒字が2750億ドルに拡大する可能性があるとの予想を示した。2006年の貿易黒字は1775億ドルだった。
国家情報センターの経済予測部門を率いるFan Jianping氏は、上海証券報に掲載された記事のなかで、世界の需要の強さが貿易黒字拡大の主な背景になると指摘した。
また、2007年1─6月の貿易黒字が83%拡大し、1125億ドルとなったことについて、税制改革をにらんだ駆け込み的な輸出や、人民元の上昇ペースが不十分だったことが原因だとの見解を示した。
同氏は、2007年通年の輸出額は26%増の1兆2200億ドル、輸入額は19.5%増の9460億ドルになるとの予想を示した。
さらに、全ての製品の輸出税還付率をさらに2%引き下げるよう推奨したほか、中国はより多くの消費財を輸入すべきだと主張した。
07年中国CPI上昇率は4.0%程度に=国家情報センター(朝日新聞、8月15日)
[上海 15日 ロイター] 中国国家情報センターは、2007年の同国の消費者物価指数(CPI)上昇率は4%程度との見通しを示した。7月の高水準のCPI上昇率を受け、これまでの見通しを若干上方修正した。
同センターは国家発展改革委員会傘下のシンクタンク。
上海証券報に掲載されたリポートの中で同センターは、食品と原材料価格の上昇、収入の増加と過剰な通貨供給の伸びにより、インフレ率は最近のピークである04年の3.9%を上回るとの見方を示した。
ただ、長期にわたる調査の結果、中国経済にとって5%までのインフレは穏やかな水準とみられ、インフレは「依然としてコントロール可能な水準にある」とした。
修正された見通しは、民間のエコノミストの多くが主張する4.0%程度あるいはそれ以上という見方に近い水準となっている。
同センターは先週発表したリポートで、今年のインフレ率は政府目標の3.0%を上回るが、04年の3.9%は下回るとの見方を示していた。
13日発表の7月のインフレ率は5.6%で、単月としては過去10年以上で最も高い水準だった。6月は4.4%だった。
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