しかし、主役であるはずの
歌姫ペ・チュンヒハルモニの調子が悪い。
「胃の調子が悪くて歌えない」という。
そういえば、食事もほとんどとられていなかった。
座を盛り上げるために、まずは学生たちが歌っていく。
「演歌をうたえ」との注文に応えて、
「天城越え」からのスタートである。
いつも、やや後ろにひかえている(ように見える)2人も
ここはひとつとがんばっていく。
9時をすぎたところで、
ようやくペ・チュンヒハルモニにエンジンがかかる。
こうなれば、もうあとは大丈夫。
ところどころをこちらがうめて、
あとは、ハルモニに気分良く歌ってもらう。
こうしてエネルギーの発揮を励ますことも、
いまはとても大事な交流のひとつといえる。
村山さんが、キム・スノクハルモニを連れてきてくれる。
キム・スノクハルモニは踊りが大好きだという。
こちらも、イヤダ、イヤダというのを、
なんとかフロアにひっぱりだしていく。
ここでは、チームおかあさんの「昔とった杵柄」(現役?)
が大いに力を発揮した。
ハルモニは、時間がたつほどノリノリである。
今度はハルモニが、学生たちをひっぱり出す。
そして、クルリとまわるハルニモに、
ふりまわされていく。
にぎやかな時間は、
こうして予定オーバー10時すぎまで続いていった。
お2人とも、80才を超える年齢である。
いつまでもお元気で。
チーム大人は2Fにあがり、
学生たちは、片づけのあと、
明日の発言準備に入っていく。
これが延々と続いていく。
12時をすぎ、1時をすぎ、2時をすぎ、
歴史館や証言をつうじた学び、
たった今のハルモニとの交流もへて、
「慰安婦」問題をどう考えるか、
自分たちは何を語り、何をするべきか、
そこを集中的に考えていく。
これが学生たちの飛躍的成長を生み出す力となる。
この集中が大切なのである。
議論は夜中の3時までつづいていった。
こちらも村山さんとのあいだで、
日本での取り組みのいくつかを相談してみる。
遠からず、今度は日本で再会となりそうである。
※ ハルモニの体調、気持ちの様子は、毎日大きく変化しているようです。
私たちは、幸運にも楽しい時間をすごすことができましたが、
いつでもそれが可能だというわけでありません。
ご本人の意思を無視して生活の場に入り込んでしまう、
同じく、無理に写真を撮ろうとしてしまうなど、
日本からの訪問者にも、心遣いの足りない方があるようです。
お互いに「本当の交流」に、心を砕いていきましょう。
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