イラク撤退がらみの二題。
イギリスのシンクタンクは、9.11以後テロとの闘いでは失敗が積み重ねられ、「対テロ戦争」を根本から見直しても、これ補うには10年の年月がかかると指摘する。
他方、イラクのタラバニ大統領は、アメリカCNNに対して、来年末まで10万人以上の兵が帰還すると述べたという。
ブッシュ大統領とのあいだに何らかの合意があるのか、あるいはポストブッシュの中東政策がすでに何らかの影響を及ぼしつつあるということか。
米はイラクから即時撤退を 英シンクタンクが報告書(中国新聞、10月8日)
【ロンドン8日共同】英シンクタンク、オックスフォード・リサーチ・グループは七日、世界規模でのテロ封じ込めで成果を挙げるには、米軍主導の多国籍軍がイラクから即時撤退することが必要とする報告書を発表した。
イラク政策は来年十一月に行われる次期米大統領選の最大争点の一つ。ブッシュ政権が米軍駐留継続の方針を堅持する中、これに真っ向から反対する今回の指摘は注目を集めそうだ。
報告書は二〇〇一年の米中枢同時テロを受けた米国の「対テロ戦争」は結果としてテロ支援者を増やしており、戦略を根本から再考することが求められていると指摘。イラクからの多国籍軍撤退と同時に、イラン、シリアを巻き込んだ集中的な外交努力を展開すべきだとした。
アフガニスタンでも軍務を縮小し、市民生活への支援や、武装グループ各派に政治参加を促すための交渉へのてこ入れを強化することが重要とした。
報告書は、こうした手法を採用しても、同時テロ以来積み重なった失敗を補うには少なくとも十年はかかると指摘。採用しなかった場合は対テロ戦争が数十年続くだろうと警告している。
駐留米軍、来年末までに10万人帰国? イラク大統領述べる(中国新聞、10月8日)
【ワシントン7日共同】イラクのタラバニ大統領は、七日放映された米CNNテレビとのインタビューで、現在約十六万五千人規模のイラク駐留米軍について「来年末までには十万人以上が帰国できると思う」と述べた。
イラク駐留米軍をめぐっては、ブッシュ米大統領が先月、来年夏までに増派前の十三万人規模の水準に戻す考えを示している。タラバニ大統領は、これを大幅に上回る数字の根拠は示さず、部隊削減のペースは米軍の司令官が決めることだと述べるにとどまった。
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