小沢氏へのインタビューだが、あいかわらず個人の意見と民主党の意見はかなり違うようだ。
それにしても、総選挙勝利の戦術を問われて、「考えあぐねている」とはまた正直な。
民主党自身の政策をかかげて、国民の審判をあおぐ以外に何がある。
その正攻法以外の手段を用いようとするから、「考えあぐね」ねばならない状態に陥るのだろう。
インタビュー:個別政策で、自民党と政策協議はしない=小沢民主党代表(ロイター、11月14日)
[東京 13日 ロイター] 民主党の小沢一郎代表は13日、ロイターのインタビューに応じ、今後の国会運営では、個別政策ごとの政策協議に応じる考えはないと述べ、与党とは国会の場で対決する姿勢を貫く方針をあらためて示した。
衆院解散の時期について「福田さんの考え方次第。彼がやりたがっているという前提に立てば、来年前半にあるかもしれない」と述べた。
一方、来年3月に任期を迎える福井俊彦日銀総裁の後継人事に関しては「官僚だから何が何でもダメだという話ではない。しかし、既定路線のように天下りルールが敷かれているシステムはノーだ」と述べ、官僚OBであることを理由に人選から排除する考えがないことを明らかにした。
総裁の任期切れまでに後任人事が決まらなければ、金融政策が機能不全に陥り、国際金融市場の不安定さにつながると懸念する声も市場の一部にあるが、小沢代表は「日銀総裁がいないという状況はよろしくない。日本の実態は変わらないが、国際社会でのイメージがよろしくない」と述べ、期限までの人事決定に理解を示した。
インタビューの概要は以下の通り。
──民主党の信頼回復のためのメッセージは。
「とにかく、選挙で勝つ。国民の信頼、支持を得て、民主党政権を作る方針に全く変更はない」
──民主党政権ができた場合、自公政権とはどう違うのか。
「官僚機構の利害・既得権、しがらみで結ばれている自民党政権では、国民の思うことは絶対実現できない。われわれは、その官僚機構とのしがらみがない」
──総選挙までに与党との連立は。
「あり得ない」
──選挙でどちらも過半数を取れない時の政権の枠組みは。
「自公が過半数を取れないときは、野党で過半数ということになり、非自公政権になる。そういうケースでは、多分、民主党が第一党になっているだろう」
──その時に、自民党と手を組むことは。
「ない。民主党が第一党になったら、野党だけで政権を取れる。第一党が政権を取るのが憲政の常識だ」
──自民党は依然として政策協議を呼びかけているが、個別政策で協議に応じることは。
「しない。基本的には今までの方針通りでいく。国会の場、委員会の場で、各党が議論した結果、合意して結論を出すことは結構だ。しかし、民主党と自民党、特定の政党で、国会審議とは別に協議をすることはしない」
──安全保障など特定の問題の扱いは。
「安全保障とか一致しないよ。各党の論議では、国の大きな問題はなかなか一致できない。一致できるのは、人道的な課題などに限られるだろう」
──給油活動継続の新法案が会期内に否決される見通しは。
「ないと思う。参院関係者に聞くと、採決するまでの時間がない。状況次第でどうなるかわからないが、当たり前にやると時間が足りない」
「採決以前の問題として、防衛省が給油のことでもウソをついている。資料も公開していない。汚職事件もたくさんある。所管省が全くでたらめをやっていたのだから、そこをはっきりさせないと、まともな論議に入れない」
──国会の再延長は。
「それは政府が考えること。われわれは反対だ」
──問責決議案は出すのか。提出する場合の基準は。
「全く判断を決めていない」
「まだ明確な基準はない。今の時点で、問責決議をどうするかの判断はしていない」
──総選挙のタイミングについて。
「福田さん次第だ。早く選挙したいと思っているのか、あるいはサミットまで引っ張っていくか」
「福田さんの考え方次第だが、彼がやりたがっているという前提に立てば、来年前半にあるかもしれない」
──1月選挙の可能性は。
「わからない。新テロ特措法次第だ」
──総選挙勝利のために政策協議をしないとすると、今後の戦術は。
「難しいのでどうしようか、考えあぐねている。政権交代、民主主義を定着させるためには民主党が政権を取らなければならない。そのためにどうしたらいいか、四六時中考えている。もし、民主党政策が実現できれば1つの方法かなと考えたが、政策協議もだめだというので仕方ない」
──過半数は取れるか?
「わからない。難しいことは間違いない。しかし、自民党にとっても難しい。両方にとって厳しい」
──日本銀行総裁人事について。最有力候補として武藤副総裁の名前が挙がるが、武藤さんは適任と思うか。
「官僚だから何がなんでも全部ダメという話ではない。しかし、既定路線のように天下りのレールが敷かれているシステムはノーだ」
「武藤氏のことはよく知っているが、今はだれがよいか、個人的な判断はまだしていない」
──政治状況が緊迫している。中央銀行総裁が決まらない事態は金融市場の不安定さを招きかねないが、期限までに決めるか。
「日銀総裁がいないという状況は、よろしくない。日本の実態は変わらないが、国際社会でのイメージがよろしくない」
(ロイター日本語ニュース 編集 田巻一彦)
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