牧野富夫編著/生熊茂実・今村幸次郎・藤田宏著『労働ビッグバン』(新日本出版社、2007年)を読み終える。
副題は「これ以上、使い捨てにされていいのか」。
そろそろ春闘討論集会の仕事も入ってくるのだが、それに応えるうえで大いに活用しうる本である。
特に、第4章「『労働ビッグバン』を阻止し、働くルールの確立を」の「『労働ビッグバン』は阻止できる」「労働者状態の悪化は企業にも社会にも悪影響」「たたかう主体的条件の前進」「『労働ビッグバン』阻止の運動をどうすすめるか」「『働くルール』の確立めざして」という、実践的問題意識につらぬかれた構成と内容は非常に勉強になる。
第2章では、「労働ビッグバン」を推進する勢力のひとつとしてアメリカ財界が取り上げられており、「株主資本主義」の視角から、日本の大企業や経済に対するその影響も検討されている。
補足すべき点があるとすれば、中心は男女の差別と格差にかかわる問題。
財界の労働者支配には、深刻な女性差別が組み込まれているが、「労働ビッグバン」はそれにどういう影響を与えるものとなっていくのか。
それは「両性の本質的平等」を「働くルール」の分野で実現していくために、どのような取り組みが必要であるかという問題でもある。
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