俵義文『〈つくる会〉分裂と歴史偽造の深層』(花伝社、2008年)を読み終える。
副題は「正念場の歴史教科書問題」。
「『つくる会』に何が起きたのか?」「歴史歪曲に奔走する人々」「問われる教科書検定制度」の3章からなる。
「つくる会」分裂が、「05年教科書採択に惨敗」した結果であることの叙述には勇気づけられる。
他方、安倍政権「崩壊」によって一定の打撃をうけた靖国派が、特に、南京・「慰安婦」・沖縄「集団自決」の3点セットで闘いを挑んでいる点には、依然、強い警戒がいると強調する。
半ば「ルポルタージュ」といってもいいこの本には、靖国派の内部事情にも通じたリアリティがあり、高い資料的な価値もある。
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